ただの電気工事作業員で終わらない「できる職人」を育てるために教えるべき“目線”


どういう目線で作業にあたるかで、その後の成長は決まる


「ある意味では、40代とかのただ毎日作業をしている職人さんより、僕の方が施工作業もできる―」

そう言い切るのは、ホテルや住居、店舗などで防災、強電、高圧工事の内装電気工事をメインに行う株式会社LUXST(読み:ルクスト、東京都台東区)代表、森山誠仁(もりやま・せいじ)さん。

18歳で立ち上げた広告業から一転、建設業に飛び込み、試行錯誤を繰り返しながら培ってきた経営者としての経験が、その自信を裏打ちする。


そんな森山さんが自社の職人たちに求めるのは「考える力」。


人手不足が叫ばれるこの業界だからこそ、 ただの作業員で終わらない「できる職人」となり、 やみくもに経験年数だけを重ねないために身に着けてほしい”目線”とは。


森山さんの思い描く職人のあるべき姿、会社のビジョンに迫る。


様々な事業を経てたどり着いた電気工事の仕事

森山誠仁(もりやま・せいじ) / 株式会社LUXST / 電気工事(材工)


― LUXSTを立ち上げた経緯は。

森山誠仁(以下、森山)もともとは18歳から、自分でインターネット広告の配信事業をやっていていました。

建設の仕事を始めたのはそれから21歳か22歳のときで、防水工事をしていた先輩から仕事を請けるようになったことがきっかけです。ある程度経営が軌道に乗ったところで、番頭として頑張ってくれた仲間にその会社は譲りました。


電気工事業との出会いは突然で、家族で電気工事業の会社を経営している同級生を手伝うような形で仕事に携わっていたときでした。

当時、担当していた職人さんが現場をまとめきれなくなり、急に連絡が取れなくなってしまったんです。それでもお施主さんに迷惑はかけられないので、自分たちで工事をなんとか終わらせたのが電気工事のスタートでしたね。本当に大変だったのを覚えています。


― LUXSTの立ち上げ前後に不安はなかったですか

ありましたね。

森山 「明日のことさえどうなるかわからない」というほどの経験はないですけど、3年後に仕事があるかどうかを保障されてないのが建設業。

全員ががむしゃらに働いて1億円売上げて2,000万円残すより、多少余裕を持って8,000万円売上げて2,000万円残せた方が彼らにとって負担にならない。いろんな場面に不安は潜んでいるので、仕事の受注含めてバランスにはいつも気を張っています。


― どんな風に仕事を掴んでいったのでしょうか。

森山  私は職人上がりではないので、当初業界の繋がりは全然ありませんでした。仲間の紹介から徐々に増えていきましたね。

電気の仕事を始めたばかりのころは、仕事を取るためにハッタリを使っていたこともあったと思います(笑)。その場でわからないことは「相談してみます」と言ってしのぎ、後で自分で必死に調べたりして試行錯誤していました。


職人それぞれが持つべき“経営目線”


― 現在は施工作業より積算や現調業務が中心とのことですが、森山さんが仕事をする上で重視しているのは?

森山  現場であろうとなんだろうと、根本的には経営目線が大事だと思っています。図面さえちゃんとしていれば、電気工事の作業自体は遅くて5年もやれば覚えられるじゃないですか。逆に5年やって覚えられないなら、向いてないかもしれませんね。

施工の品質管理の差は、年齢や経験年数には比例しないと思っています。


― やみくもに経験年数だけを重ねても意味がない、と。

森山  むしろどういう目線で作業に従事するかで、その後の成長って決まりますよね。スポーツなどもそうですけど、急激に伸びた後の成長曲線の傾斜が大事なんです。

職人も「経営目線を持てるか」が仕事では重要。今、自分がどういう現場をやっていて、材料費や外注費など、それに対する販売管理費を意識できないと、ただ作業をこなすだけの人になってしまうのですが、残念ながらそういう職人は沢山いますよね。

あくまで会社は儲からないとやっていけないので、弊社では職人にも「コスト意識」を大事にさせています。


出入りの激しい業界だからこそ、教育に時間をかける


― 「経営目線を持つ」という考えは、以前広告の仕事をしていた経験などから身に付いた?

森山  基本、人生で雇われたことがなくて、10代からずっと経営者として数字関係ばかりを見てきているので自然と。電気工事業を始めたころには、もうそうなっていましたね。

その視点を持っているからこそ、ある意味では40代とかのただ毎日作業をしている職人さんより、僕の方が施工作業もできると思っています。見る場所が悪かったり効率を考えていなかったりする職人さんよりかは、ということです。


― そこで経営目線が生かされてくるわけですね。

森山  1人だけの現場ならあまり変わらないかもしれませんが、人が多い現場だと自分の方が確実に上手に立ち振る舞えると思います。

私は、職人が2人いたら2.5~3人工程度の仕事ができないと意味がないと思っているので、「そのためには自分がどうしなければいけないか」を理解しているというのが大きな理由ですね。

なので、弊社では新人をいきなり現場に出さず、3か月間はその辺の研修期間に充てています。


― そのような教育は、これまでお話を聞いた建設会社ではあまり聞いたことがないです。

森山  出入りが激しい業界なので、仕事を覚えたタイミングで辞めていく人も多い。だからこそ、入ってすぐできる人を採用した方が会社にとっては実利につなげられる。

でも、それでは根本的な解決にならないので、そういったところを教えていって愛社精神を持ってもらい、「働きたいと思う会社」というものを作っていかなければいけないなと考えています。


目指すは「社員が人に紹介したくなる会社」


― 職人として成長するために必要なことは。

森山  半年経てば、材料を覚えることも含め、作業には慣れます。作業自体は誰でもできるので、仕事を覚えるのは基本として、そこにプラスして「考える力」を身に付けることが重要ですね。

もともと建設業界は青春時代に遊んできてしまった人達が多い業界です。成長するためには、その分人間どこかで努力しないといけないし、たかだか最初の半年間の労力を惜しんで、いわば未来の自分への投資をしないなんてのは、合理性に欠けますよね。


― 5年後、ご自身とLUXSTはどうなっていたいですか。

森山  社員が、自分の友達に会社を勧められるような電気工事会社にしていきたいです。

目先の利益だけを求めるのであれば、正直楽勝ですよね。金額安くして、たくさん案件請けて、薄利多売してこなせばいいので。でもそれは幸せじゃない。

それよりも人の受け皿の方が大事です。なので、売り上げより「人に紹介したくなる会社」という土台を作りたいですね。


企業情報

社名/株式会社LUXST

https://sustina.me/company/650892

本社所在地/ 東京都台東区

対応可能職種/ 電気工事(材工)

対応可能エリア/ 埼玉県 | 千葉県 | 東京都 | 神奈川県

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