過酷な電気工事も“遊び”に代わる!飽きっぽい職人がハマった仕事の「楽しさ」とは

大変な仕事を楽しんできた電気工事士の一人親方

私たちの暮らしを豊かにしてくれる「電気」。

一方で、建物に通電させる電気工事職人は“ビフォー”の現場で働いていて、仕事環境は過酷だ。加えて職人不足で働く量も多くなっているので、電気工事の仕事は余計に大変になっている。

そんな電気工事を「仕事だけど、現場で遊んでるような感覚になったりする」と語るのは、枚方電気空調(大阪府寝屋川市)の湯川京介さん。

工事現場を“遊び場”に変えてきた一人親方の湯川さんは、仕事でどのような工夫をしたり、どうやって楽しみながら働いているのだろうか。話を聞いてみることにした。

現場で感嘆の声を浴びる電気工事職人の仕事

湯川京介(ゆかわ・きょうすけ) / 枚方電気空調 / 電気工事(材工) | 空気調和設備工事(材工)
湯川京介(ゆかわ・きょうすけ) / 枚方電気空調 / 電気工事(材工) | 空気調和設備工事(材工)

–枚方電気空調のお仕事内容は?

湯川京介(以下、湯川) 一人親方として主に、電気工事と空調・エアコン工事に携わっています。主に元請さん、電気工事会社さんであったり、空調屋さんなどからお仕事をいただくことが多いです。あとは工務店さんからの電気工事の案件が来て、リフォームに当たることもあります。

–湯川さんはなぜ独立を?

湯川 独立して一人親方になるまでに、電気関係の会社を3社ぐらい転々としました。

僕の場合、仕事をしていると最初の1年くらいはやっぱり、覚えることがたくさんあるのでがむしゃらに働きます。そういう時期は大変だけど吸収するものも多くて楽しい。

2年目ぐらいになってくると、自分が覚えたことを応用して仕事ができるのでそれも楽しい。1年、2年目くらいまでは「あっ、伸びてるな」っていう自覚があるんです。でも3年目ぐらいになってくると、ちょっと仕事が落ち着いたりするんです。

働いた会社は「日給月給」のところが多かったので、仕事が落ち着いてくると休みも増えてくるし、少しモチベーションが下がって「ほな、ほか行ってみようか」となってしまう。そんなループを数回繰り返しました。僕の飽きっぽい性格にも原因があると思います。

その内に「また探すのめんどくさいな」と思ったのが、27〜28歳ぐらいの時です。それで「自分で会社できるんちゃうんかな」と軽い気持ちで独立に踏み切りました。独立して1〜2年一人親方でやってみて、ダメなら会社員に戻ればいいと。

–そもそもなぜ電気工事の仕事に興味を?

湯川 あんまり誇れる理由ではないんですけど、求人などを見ていると当時、日給8,000円スタートとか月収20万円っていう内容が多くて、ほかの仕事と比べても電気工事は良い方だったんです。興味というよりは、生活もあったのでちょっとでも給料のいいところを優先して行った先が、たまたま電気屋さんだったという感じでした。

正確には電気というか、セキュリティ設備の工事関係だったんです。大手セキュリティシステム会社の下請けの工事業者さんでした。

次に、入ったところはオール電化をメインに扱っている会社で人数も40名ぐらい職人がいるところでした。

オール電化の工事をやっている頃に、長い目で見て「もっと家一軒分の電気工事に携われるようになりたい」と思うようになったんです。その頃ぐらいですかね、本気で電気屋になろうと思ったのは。 独立にも少し興味を示し始めたころでした。

その次に転職したのが電気・空調工事をしっかりやっている会社さんでした。そこぐらいからは真剣に電気工事士として働いていく覚悟を持って仕事をするようになりました。

–真剣に取り組むようになった理由は?

湯川 当時、仕事の量は多かったのですが、先輩に付いて手元ばかりをやらされていたわけではなく、一職人として仕事や案件を任せてもらえるようになっていました。やっぱり、頼りにされている感覚が嬉しかったです。それが「もっと頑張ろう」に繋がっていったと思います。

–電気職人のやりがいや魅力、楽しさは?

湯川 「当たり前やんけ」って思うかもしれませんが、電気工事で言うならやっぱり何の問題もなく電気が点く時でしょうね。

ほかの業者さんも一緒に仕事している中で、電気がパァーっと点いた瞬間は「おおお~」っていう声が上がったりします。僕としては「せやろ~」みたいな(笑)。

新築現場を工事してる時って、仮設の電気はありますけど、建物に電気が付くことは電気が通電されるまでないんです。だから、それまでは僕も暗くて仕事がしにくいっていうところがあって、自分ごととして電気を付けたいと思っています。

照明器具を付ける作業は量がメチャクチャ多いし正直、面倒臭いと思う時もあります。単調な仕事になってくると、やっぱり飽きてくるんです。それでも一通り器具を付け終えて、電気をパっと入れた時は感慨深い。それがやりがいですね。

趣味の工具好きが「やる気ある」と勘違いされた

これまでのキャリアを語る枚方電気空調の湯川さん

–初めから電気工事の知識や経験、資格などは持っていた?

湯川 いいえ、資格どころか真っさらな状態で、右も左もわかりませんでした。先輩に教えて貰いながら、失敗して、身に付けていきました。

僕が入らせて貰った会社はそんなに厳しいところではなく、皆和気あいあいという雰囲気でした。怒号が飛び交うような会社ではなかったです。

電気工事士の資格は、学科で何度も落ちましたね。働きながら資格取得の勉強をしていたんですけど、あんまり勉強に身が入らず(笑)。 学科試験はマークシートなので、四択なら“あわよくば”があるかもと考えてしまって。そんなの通用するわけがなかったです(笑)。実際に電気工事士の資格取得したのは、独立前に勤めた3社目のころだと思います。

–技術を覚えていくために努力や工夫したことは?

湯川 努力とは違うんですけど、僕はホームセンター行くのも好きだし、工具を買うのも好きだったんです。趣味みたいなもので、見ているだけで「こんなんあんねや」とテンション上がります。会社の上司や先輩から勧められたものも、すぐ買いに行っていました。

上の人たちは「この子、言うたらすぐ買うてくるんや。やる気あるんやな」と勘違いして、新しい仕事も振ってくれていたのかもしれません。

僕としては、電動工具や細かい工具も含め、自分の持ち物が増えるっていうのが嬉しかったんです。興味の無い人から「また同じもの買って」とか「もったいない無駄遣い」と言われてました(笑)。

そんな道具を使って仕事をしていると、仕事だけど遊んでるような感覚になったりする時もありますね。道具を使えることが楽しい。新しいのを使って「おおおお~スゲ~」みたいな(笑)。道具が良いと仕事効率も上がるので、会社の評価まで、良いことづくめでした。

納期に間に合わせる電気工事がモットー

–施工にあたって、大切にしてる部分は?

湯川 一番はやっぱり納めることです。仕事の綺麗さは職人によって多少なりとも違いがあると思うんですけど、僕自身は、ものすごく綺麗にこだわってやるタイプではありません。

ただ、自分が原因で現場全体が遅れるようなことはないようにと常に心掛けています。ほかの業者さんに迷惑をかけないために現場で打ち合わせを入念にするとか、コミュニケーションの方が僕は大事かなっていう意識です。

打ち合わせをしっかりしていると、人同士も結びつきが強くなっていくので、もし自分がちょっと失敗しても「ごめんなさい」って言ったら「しゃあないな」くらいで許してくれる場合もあります。技術的な事よりも、そういう人との繋がりや関係性の方が大切です。

–湯川さんにとって「納める・納まり」とは?

湯川 僕の場合は「納期に間に合わせる」っていう言い方が近いのかな?もちろん技術的な水準を満たした上で、です。美観的な基準は僕、たぶん皆さんより低いかも分からない。そこにあまりウエイトは置いていません。

例えばですけど、ボールペン1つ作るのに細部に至るまでこだわる人もいれば、最低限の機能がある100均ぐらいのでいいって言う人もいると思います。

僕はどっちかって言ったら、100均タイプなんです。ただ1万本やったら、必ず納期を守って1万本用意して納品する。そんな感覚ですかね。

大工さんとかだと、目に見えるところだから仕上がりを気にした納まりをしっかりしなきゃいけない。でも電気って天井裏の見えないところになってくるんで、そこにウエイトを置かなくてもいいかなっていう。

–出来る職人と、そうじゃない職人の違いとは?

湯川 段取り。段取りの良い人と一緒にすると手が止まるとか、仕事が止まることって無いんです。なので仕事がどんどんスムーズに進んでいきます。

例えば、ナット1つ、テープ1つでも段取りの良い人って、分かるところに準備していたりするんですけど、段取りの悪い人は、その都度それを探すっていう作業が発生したりします。

電気工事会社として法人化させたい

電気工事会社としての目標を語る枚方電気空調の湯川さん

–枚方電気空調さんの強みは?

湯川 僕だけが特別にやってる訳ではないと思うんですけど、発注者さんとのコミュニケーションの部分です。一概にこれが良いという訳でもないですが、僕は何か疑問あったらすぐ質疑を上げたり、なんでも細かく確認をするようにしています。

発注者さんによっては「そんなんもう確認せんでええねん、突っ走ってくれた方がええわ」っていう人もいるでしょうし、その通り突っ走るタイプの職人さんもいます。僕は僕のタイプが良いと言ってくれる人と繋がっていっています。

–今後の目標は?

湯川 法人化することなどいくつかあるんですけど、やはり従業員を増やしていきたいです。自社施工ってところは大事にはしたいと思います。事業拡大にはそんなに興味もありません。

技術の継承とか大層なことも考えていません。電気工事の場合、日々やり方も変わっていっているので、今の技術を継承して次の人に役立つか、今やっていることが20年後通用するかって言われたら、たぶんそうではないでしょう。

ただ、歳とともに身体も動かなくなっていくでしょうから、身体が動くうちに若手に仕事を覚えてもらって、できるようになってくれたら僕は違うことをやっていくような感じで緩やかに、シフトチェンジしていけたらいいなと思っています。

[企業情報]

社名/枚方電気空調

https://sustina.me/company/657456

本社所在地/大阪府寝屋川市寝屋1-3-1

対応可能職種/電気工事(材工) | 空気調和設備工事(材工)

対応可能エリア/滋賀県 | 京都府 | 大阪府 | 兵庫県 | 奈良県 | 和歌山県

 

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