職人が「元請けの信頼」を勝ち取るための“必須条件”

職人と客の「板挟み」になる元請けの営業マン

職人に仕事を発注してくれる元請けの営業マンは、どのような想いで案件を獲得してくるのだろうか?

職人が発注者側の考え方を知っておけば、もっと仕事を依頼されやすい職人になれるのではないだろうか?

ということで、株式会社ビルディングフェイス(大阪府大阪市)の石原将行さんに、元請け側から見た「信頼できる職人像」について話を伺った。

石原さんはリフォーム会社の営業マン。お客様の“希望”と現場レベルの“現実”に板挟みにされるポジションで働いている。

リフォーム会社の協力業者不足の現実

石原 将行(いしはら・まさゆき) / 株式会社ビルディングフェイス / 内装一式工事
石原 将行(いしはら・まさゆき) / 株式会社ビルディングフェイス / 内装一式工事

ビルディングフェイスはリノベーション、リフォーム工事、不動産業を生業とする会社。内装・外装を問わないリフォーム業を主軸に事業拡大を成し遂げてきた。

現在、専属的な協力業者を30社ほど抱えているが、石原さんは「それでも職人が足りないのが現状です」と、会社の悩みとともに勢いを覗かせる。

そこで、前職がIT企業の営業だった石原さんは、協力業者を探すためにオンラインマッチングサービスを利用するようになった。

「よくオーナーさんから“いついつまでに仕上げてほしいんやけど、いける?”と聞かれるのですが、弊社では大体“いけます”と答えるようにしています。そう答えてしまった以上はやるしかありません。そこで弊社専属の職人さんに空きがないときに、マッチングサービスが重宝します」。

かつて建設業界は、元請けが職人を叩いて、安い職人を選ぶという形も少なくなかった。しかし近年は、職人不足によって状況が逆転してきている。だからこそ、石原さんは職人への敬意や小さな縁も大切にする。

「弊社がマッチングで職人さんを募集すると、少なくない応募をいただくのですが、中にはお願いする業者さんが決まってしまったあとにご連絡をいただくこともあります。そんなとき、タイミングが合えば“ちょっと場所は離れてしまうのですが……”と掲載した案件とは別にお願いできる案件を打診をさせてもらっています」。

職人は、ただ依頼がくるのを待っているのではなく、マッチングサービスも活用して積極的にアプローチしてこそ仕事が増えていく時代だ。

石原さんは、新たな協力業者を探すために、建設業者が集まる交流会にも出席している。職人にとっても交流会に参加して、元請けと出会うのも仕事を得る方法の一つになっている。

リフォーム案件獲得に奔走する営業マン

建設業者交流会で名刺交換をするリフォームの株式会社ビルディングフェイス・石原さん
建設業者の交流会で名刺交換をする石原さん(写真左)

石原さんの仕事は、リフォーム案件を獲得すること。オーナーのニーズをヒアリングするために奔走し、その結果、お客様の要望が「案件」という形に変わっていく。

「直接お客様とお会いできるということは、何かしらお悩みを抱えていることに間違いないわけです。それらを十分に聞き出した上で、ウチだから出来るリフォーム、リノベーションの提案をします。そこを引き出せていれば、仮に良い提案ができなくても、いったん持ち帰って“明日にでも、すぐ連絡させて貰います”と別の手を打つことができます」。

もちろん仕事を取ったら終わりではない。現場の職人は暑さや寒さ、気候の影響など、苦労の多い環境で仕事をしているため、石原さんとしては無理をさせたくない。

ただ、オーナーには予算があって、工期の中で完成させなければならない。結果、営業マンはオーナーと職人の板挟みになりがちだが、両者とのコミュニケーションを密に取ることで問題を解決する。

しかし、石原さんはそんな苦労も、もともと憧れていた建設業界の仕事だけに、大変だとは感じていない。

「“好きなことを仕事にすると、嫌いになる”なんていう話もありますが、私はそれが当てはまらなかったようです(笑)」。

建設現場での発注者とのコミュニケーションの重要性

職人と発注者のコミュニケーションについて語るリフォームの株式会社ビルディングフェイス・石原さん

石原さんはビルディングフェイスに入社当初、職人に対して「話しかけづらい」「恐い」といった、ネガティブな心象を抱いていた。だが、顔を突き合わせて話してみると、そのイメージは一変したと言う。

「現場に行って職人さんとお話しするのはすごく楽しいです。一見話しかけづらそうな職人さんでも、話してみるとわからないこともすごく親切に教えてくれてありがたい」。

建設業界入りたての新参者には、こうした職人とのコミュニケーションがとても勉強になっている。

「正直なところ、私にまだ未熟なところも多く、職人さんが施工できる技術的なバリエーションまで把握できていないので、どういうことができますかと素直に聞くこともあります」。

コミュニケーションが不得意な職人は、営業マンに教えることを労力に感じるかもしれないが、自らの知識、技術への理解を発注者サイドにアピールする絶好の場だと捉えた方が良いようだ。

職人が「元請けの信頼」を得る方法

職人が「元請けの信頼」を得る方法について語るリフォームの株式会社ビルディングフェイス・石原さん

発注者からの信頼を得るということがどういうことなのか。オーナーと直接やり取りする営業ならではの視点で、石原さんは説明する。

「例えば、リピートや紹介からのリフォーム案件は、オーナーさんが仕上がりに満足されたからこそお話をいただいているので、同じクオリティを提供するために、我々は同じ職人さんへ発注せざるを得ません」。

つまり、職人はオーナーの目線を大切にした施工ができてこそ。だが、オーナーと職人は基本的に接点がないため、求める品質を実現するには仲介役の営業担当とのコミュニケーションが密に取れることは必須となる。

また、発注者は仕上がりや技術面ばかりを見ているわけでもない。

「たまに、抜き打ちで現場を見に行くこともあるのですが、中には室内でタバコを吸っていたり、クロスを張ったばかりの壁にもたれ掛かっていたりするような職人さんも見たことがあります。そういう方にはお仕事は頼めません」。

職人はこうやって評価されていることを認識しておきたい。

発注者と協力業者のwin-winの関係

石原さんの目標はまず、一営業マンとして会社のために1件でも多く新規のお客様の案件を獲得することだと言うが、職人への敬意も忘れない。

「弊社は職人さんの力に大きく助けられているので、自社だけでなく、彼らの利益も確保していきたいです」。

さらなる事業拡大も視野に、継続的に付き合っていける協力業者探しにも力を入れていくことが必須だという石原さん。発注者と職人、互いがwin-winになれる関係を構築していくことが、その鍵になると考えている。

[企業情報]

社名/株式会社ビルディングフェイス

https://sustina.me/company/657114

本社所在/大阪府大阪市中央区南本町2-1-1 本町サザンビル304

対応可能職種/内装一式工事

対応可能エリア/大阪府