元請けは売上100億円超えでも職人不足!「売り手市場」で大手に求められる柔軟な対応

年間売上100億円を超す建設業者でも職人を求めている!

年間売上100億円を優に超える大規模修繕の大手でも、好調にしてなお職人・協力業者が足りていないという悲鳴が聞こえてくる。そんな話を明かしてくれたのは、西日本にある大規模修繕工事会社(以下、A社)。

話によると協力業者不足の背景には、職人企業の仕事の請け方と文字通り大規模な建物を扱う工事の進め方によるギャップが横たわっているという。

それは日常的に扱う工事の規模の違いによる、時間感覚や工期の差。

半年〜1年先の話をする大手と、近々で仕事がしたい職人企業という構図になり、なかなかWin-Winとはなりづらい状況がある。

近年は、人員不足の影響で職人の売り手市場となっているが、そこに対応するために大手も徐々にだが柔軟な姿勢を見せ始めた。

果たして、両者の溝は埋まっていくのだろうか?

大規模改修の大手が職人不足に悩む原因

職人不足の原因を語るイメージ

建設業界はこれまで、顔つなぎで協力業者を増やすことが慣習のようになってきたが、事業規模が大きくなってくると顔つなぎだけで職人を探すのは限界が出はじめる。

A社ほどの規模であれば、職人の方から寄って来さえしそうなものだが、そう上手くは運ばない事情があった。

「大規模修繕工事は数千万円〜数億円といった大金が動くので、さまざまな準備が必要です。

“今すぐ契約書交わして、明日からやりましょう”という訳にはいきません。実際に工事に入るのは半年〜1年後ぐらいになることが多いです。

でも、職人さんはもっと短いスパンでの仕事を請けて忙しくしていて、そこにミスマッチが発生し、職人を探すことが難しくなっています」。

大手は協力業者を見定めず、協力業者に見定めてもらうというスタンス

A社は協力業者への門戸は広くしており、積極的に会いたいと考えている。

「やっぱり、職人さんのお人柄は見たいですし、直接本音で話すことで見えてくることもあると思っています。その場を通じて、弊社が職人さんに対価をお支払いする能力があるのかや、担当者の人間的な部分も含め、協力業者さんに私たちを判断してもらいたいと思っています」。

A社では必ず依頼したい協力業者とは契約書を交わす。それは「万が一、支払いがなかった場合は訴えていただいていいですよ」というメッセージ。裏を返せば“そんなことにはならない”という職人への意思表示だ。

「職人さんの中には、工事書類や契約書の作り方などを一切ご存知ないという方もいらっしゃいますので、作り方の説明をさせてもらったりすることもあります」。

こんなエピソード1つも、大手であろうと決して協力体制を結ぶことへのハードルが高くないことの表れ。

ただ、「弊社の支払い体系の中で、最大限スピーディーに入金する」という、その速度感によっては、待てないという職人企業も存在するのだろう。

職人が続けざまに仕事が受注できるのが大手とつながるメリット

職人のイメージ
写真はイメージです

要求される水準を満たした施工ができていれば、信頼関係も構築され、一度できた繋がりはそう簡単に途切れるものでもない。A社の場合、職人と互いに持ちつ持たれつの持続的な関係性が築けているそうだ。

「弊社が施工管理に未経験の新人を連れていった場合には、腕の良い職人さんの仕事をしっかり見させたり、良い仕上がりとはどういうものなのかを教えてもらったりすることもあります。反対に、こちらのベテランの施工管理がまだ若い職人さんに指導することもあったりもしますよ」。

言わずもがな、建設大手は工事案件数も豊富なため、優良な協力業者には続けざまに発注される。職人企業にとって、これが大手と仕事をすることのメリットだ。

信頼関係や付き合いの長さによるかもしれないが、A社の場合「“訳あって稼ぎたいんです”というような職人さんの要望にも、融通は利かせられます」という人間味ある話も印象に残った。

大手元請けにとっては、協力業者の存在が今後の飛躍の鍵。どれだけ柔軟になれるかは、これからを左右するだろう。

職人は勝手に大手はビジネスライクな付き合い方しかできないと、思い込まない方がいい。融通を効かせてもらえる企業が増えていくことだろう。

 

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