【対談 サスティナ × 建設業界人】自身の仕事に「誇り」が持てる職人を増やしたい

GUEST

株式会社中村建設代表取締役
中村 英俊 Hidetoshi Nakamura

「働きやすい環境をつくる」GCUが描く未来像とは

「働きやすい環境をつくる」というテーマについて会話する2人

大川祐介(以下、大川):私自身「GCU」の理事を務めていますが、改めてその活動について聞かせてください。

中村英俊(以下、中村):建設業界において「増収増益」「事業発展」「社会貢献」の3つを叶えることが「GCU」の主な活動です。その先に目指すのは、建設業界に関わる人たちを幸せにすること。そのために建設業界を中心に会員を募り、全員にもれなく価値を提供できるように努めています。例えば、会員同士の協力体制をつくってビジネスチャンスを与えたり、コンサルティングをしたり、国内外の災害ボランティアや海外の貧困地域の支援をしたり……といった活動を行っています。

大川:「GCU」を立ち上げようと思った理由は?

中村:今からおよそ7年前のことです。当時、僕が代表を務める中村建設は下請け業者を使わずに自社施工で事業を進めていたんですが、年間20人近い従業員が入れ替わり立ち替わり辞めていきました。遅刻やサボりも一向になくならない。そんななかで「どうしたら離職率が下がるだろう」と考えたときに、「従業員にとって居心地の良い職場に変えていくしかないな」と思い立ったんです。

周囲の建設会社を見渡すと、安月給で社員をこき使ったり、劣悪な環境で働かせて、利益を独り占めするような経営者が多かった。そんな実状について、「やっぱりそれはおかしいだろう」と。それから福利厚生など自社の待遇改善に努めるようになり、ここ3年の中村建設の離職率は0を保っています。その7年前からなんとなく、建設業界の環境改善を図る「GCU」のような団体の構想は描いていたんです。今年(2017年)になって、ようやく本格的に動き出したというところです。

株式会社中村建設代表取締役・中村英俊さん

大川:私自身も「とにかく稼ぎたい」という気持ちが先行してしまっていた時期がありました。代金の取りっぱぐれなんかもありましたし、予測がつかないという点でリスクが高い業界なので、ある程度資金を残しておかないと不安なんですよね。

中村:とくに弊社が請け負っている足場工事なんかは、命の危険も伴うような危ない現場で、一番シビアに見られます。私も自分の利益を最優先して、大失敗した過去があるんです。そのときに本当に苦しい思いをしたからこそ、価値観が変わったんだと思います。

中村社長の“男気”に惚れた

中村英俊さんインタビューカット

大川:私が中村社長と初めてお会いしたのが、2016年10月の「建設職人甲子園」でしたよね。「強い圧力みたいなものを放っているな」というのが第一印象で、正直あまりいいイメージではなかったんです。周囲の人間に「中村社長ってどんな人?」と聞いたら賛否両論で、「心から信用できる」と言う人もいれば、「不信感がある」と言う人もいました。

中村:私は物言いがはっきりしていて、微調整がきかないんですよね。傷つけているつもりはなくても相手は傷ついていて、めっちゃ泣かれたり……(苦笑)。

大川:私は、中村さんのそんなところが良いと思うんですけどね。冗談なのか本気なのか、まるでわからないようなところと言いますか(笑)。でも、よくよく中村さんを知っていくと「男気の塊」だということに気づきます。真っ先に相手に尽くすとか、率直に思いを伝えるとか……本当に熱い男なんです。

私は中村さんのそんな男気に惚れているし、中村さんを慕う人たちも同じ気持ちだと思います。業界のなかでも中村さんの男気はケタ外れ。そんな中村さんと組めば、きっと良い化学反応が起こるだろうなと思い、GCUに仲間入りさせてもらうことにしたんです。

談笑する中村さんと大川祐介

中村:素直にありがたいし、嬉しいですね。でも、私はナンバー2で光るタイプで、決してナンバー1タイプではないんですよ。旦那よりも女房役。だから、ナンバー1になりたい人たちのサポートをしてあげたいんですよね。大川さんのように建設業界の未来を変えようと尽力している方にモデルケースになってもらい、「GCU」でもその活動を発信していければと考えています。

あなたは、まさにこれからの時代を担っていく若いリーダーですし、私のようにやたらと敵をつくらないですしね(笑)。大川さんに憧れている若い人たちは多いと思いますよ。

大川:光栄です。建設業界って愚直な人が多いというか、成功事例を積み上げても次のステージに上がる人が少ないですよね。次のステージというのは、従業員や協力会社の人たちが満足できる環境を整え、ひいては建設業界全体の交通整理を行うという、中村さんが叶えているようなことです。

結局、自社の利益だけを追求しても持続可能にならないですよね。いくら協力会社を叩いたところで生産性は落ちていくし、彼らからの信頼も失ってしまう。まさに悪循環です。経営者の方々には、その点に気付いてほしいなと思います。

ユニオンテック代表(サスティナ考案者)・大川祐介

社会貢献活動で芽生える、職人の「誇り」

大川:「GCU」の社会貢献活動は、日本を超えて国外にも広がっていますよね。こういった活動が拡大することで職人たちのイメージアップになり、建設業界への就職を志す若者が増えるなど、さまざまな変革が期待できると思います。

中村:あるとき、児童養護施設にボランティアに行ったことがキッカケで、社会貢献活動に注目するようになりました。それで、約6年前からカンボジアを中心に活動範囲を広げています。カンボジアでは、泥水を飲んでいる村に井戸を掘ったり、売られていく子供たちのために仕事をつくったり、学校を建設したりしました。

今年(2017年)の7月からは、村の女性たちが自立した生活を送れるよう縫製技術を教え、ハンドメイドでアクセサリーや民芸品を制作するというサポート活動を始めました。それをシェムリアップ州最大のナイトマーケットに出店したところ、非常に売れ行きが好調だったんです。

それまで女性たちは自らの子供を村に残して出稼ぎに行かなければならなかったのですが、このプロジェクトを始めたことで、子供たちの近くで働くことができるようになりました。つい数日前には、カンボジアの新しい小学校の建設もスタートしたんですが、今後は出資に頼らず「GCU」の会費の一部を使って、社会貢献活動ができるようにしたいと考えています。

ユニオンテック代表(サスティナ考案者)・大川祐介

大川:社会貢献活動に携わることで、職人たちは自分たちの存在価値の大きさを改めて感じることができますよね。自分たちの日々の労働が、貧困を抱える人々の生活を救っていると思えば、ただただ現場に行って作業をこなすだけではなくなるはずです。さらに周囲からの注目が集まれば「見られているんだ」という緊張感や誇りを持てるようになると思います。

サスティナでも、今後は社会貢献活動も視野に入れていますが、当面の舞台は日本国内で考えています。今、日本では子どもの7人に1人が貧困層だと言われていて、満足な食事ができなかったり進学を断念したりしている。

そんななか「子ども食堂」などの社会運動が活発化していますが、建設業界からそういった場所を生み出すことができれば、職人たちの意識改革だけじゃなく、日本の若い世代が「建設業界ってカッコいい」「建設業界で働きたい」と思えるだろうなって思いますね。

「GCU × サスティナ」が目指す建設業界の未来像

対談模様

大川:お互いアプローチは違えど、我々が登っている山は同じだと思っています。私がサスティナを通じて目指すゴールは2つで、ひとつは「建設業界に関わる人たちが豊かになること」、もうひとつは「その豊かさを社会に還元していくこと」です。サスティナは今ブランディングに力を入れていて、業界内での知名度も少しずつUPしてきました。

ただ、社会貢献活動を始めるにはどうしても資金不足が否めません。だから、その点は先にGCUに走っていってもらえたらと思っています。そしてサスティナの動きが一段と注目されるようになったタイミングで、GCUとタッグを組み、世間をあっと言わせるような大規模な社会貢献活動を進める……なんてことができたら、絶対に面白いことができますよね。

中村:そうですね。社会貢献活動については、ぜひ一緒に進めていきましょう。また、GCUにはできなくてサスティナだからこそできるチャレンジとして、私からの提案があるんです。それは、「オンデマンドで配信する大川祐介の経営哲学」。月額で利用できるシステムで、サスティナ独自の資格を発行したり、大学を巻き込んでセミナーを行っていったり……。すごくいいと思うんだけど、どう?

大川:いいですね。現状の活動でいっぱいいっぱいなんですが、今を突破したらぜひ。日々課題だらけなので、ひたすら走り続けていくのみ、ですね。

対談模様2

中村:もし私が今、大川さんの年代だったら、自分からもっとガツガツ仕掛けていくでしょう。でも、自分よりもやれる人がいると思うから、それならその人を応援したい。僕にとっての“その人”が大川さんなんですよ。「応援したい」と思わせる何かを持っている人なんだと思います。

今、サスティナはひとつひとつのコンテンツの完成度が目に見えて上がっているし、今後さらに会員が増えてくれば、よりバージョンアップすることは間違いないでしょう。だからこそ、手を取り合って建設業界の未来を変えていきたい。GCUでできることなら、いくらでも協力しますよ。

大川:ありがとうございます! これまで見過ごされていた建設業界の活動にピンポイントでスポットライトを当てることで、建設業界に関わる人たちの存在価値をグッと引き上げていきたいですね。ともに高い山の頂を目指しましょう。

株式会社中村建設
代表取締役

中村 英俊

1974年生まれ、兵庫県出身。15歳のときに建設関係の仕事と出会い、19歳で「中村組」として独立。阪神淡路大震災なども経験し、2009年に「株式会社中村建設」となる。現在は大阪本社のほか、東京、神奈川、埼玉、兵庫、愛知と各地に拠点を持つ。2017年2月、建設業界により良い風を吹かせたいと社団法人「GCU」(global construction union)を設立。

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