【対談 サスティナ × 建設業界“外”人】社長に必要なものは、必ずしも「学歴」じゃない

GUEST

株式会社LIG
代表取締役社長

吉原ゴウ Go Yoshiwara

中卒から、の共通点

対談模様1

吉原ゴウ(以下、吉原):大川さんは、元々どうして建設業界に入ったんですか?

大川祐介(以下、大川):クロス貼り職人になるまでも紆余曲折があったんですよ。まず僕、最終学歴が中卒なんですよね。

吉原:おぉ~、僕も中卒です。

大川:奇遇ですね(笑)。中卒だと職業があまり選べないじゃないですか。当時の選択肢で言えば、営業か、調理師か、職人か、飲食店のキャッチか、の4つくらいしかなくて。実際、全部試したのですけど、営業も調理師もキャッチも肌に合わなくて、最後に残ったのが職人だったんです。

吉原:わかります、わかります! 僕も農業がしたくて、中学を卒業してすぐに、知人を頼って静岡の下田にある農家さんに住み込みで働かせてもらっていました。結局1年で飽きちゃって、調理師になろうとしたり、雀荘やアダルトビデオショップで働いたり、紆余曲折あって今に至ります。

大川:下田? 僕の地元のめちゃめちゃ近くじゃないですか! 僕、伊東市出身なんです。

吉原:いや~、似てますね(笑)。でも、職人と一口に言っても色々ある中で、クロス貼りの職人になろうと思ったきっかけはあったんですか?

大川:はい。実は僕、18歳のときに当時付き合っていた彼女が妊娠して、安定してまとまったお金を稼がなければいけなかったんです。それで、当時の花形だった不動産業界の営業として働き始めたんですけど、毎日テレアポばかりでしんどくて3日で辞めてしまったんです。

吉原:なるほど(笑)。

大川:それで、義理の父に相談したら「とりあえず新聞を読んで、経済を知れ」と言われて、毎日新聞を読むようになったんです。そしたら、ある日の新聞に「これからは新築の住宅よりもリフォームが流行る」と書いてあって、「これだ!」と思って飛び込みました。あの日の新聞が、僕の人生を変えてくれましたね。

吉原:直感って大事ですよね。僕も色々な職を転々として今の仕事に繋がるwebデザイナーになろうと思ったきっかけは、彼女の妊娠だったんですけど……。

大川:ここでも一緒ですか(笑)。

吉原:いや~、ビックリしちゃいますね(笑)。当時、夏は長野の実家がやっているアウトドアスクールを手伝って、冬は仕事がないので東京のアダルトビデオショップでアルバイトをする生活でした。空いた時間にホームページを作って、友人たちと一緒に面白い写真や動画を投稿して遊んでいたのですが、その反応がけっこう良くてのめり込んでいったんですよね。

そんな矢先に妊娠が発覚して、定職に就くタイミングで、webデザイナーになろうと思ったのは直感、というより自然な流れでした。

「必死で仕事をして、気がつけば独立していた」

ユニオンテック代表(サスティナ考案)・大川祐介

大川:吉原さんって、元々「社長になりたい!」という気持ちがあったんですか?

吉原:僕の場合は、制作会社で2年働いたあとに独立したのですが、転職活動しても全然受からなくて、幼馴染を誘って会社をつくりました。最初は個人事業主でしたし、「社長になりたい」とか「起業したい」といった気持ちは全然なくて、気の合う仲間とやれる仕事から始めた、っていう感じですね。

大川:僕も社長になりたいと思っていたわけではないんですよ。先ほどお話したように家族のためにお金を稼ぐことに必死で、クロス貼りの職人になったときも、仕事をとにかく早く覚えたい一心でした。30日働いて、11万円しかもらえませんでした。

端材を持ち帰っては家で練習したり、一緒に働いていた腕の立つ先輩職人の鈴木さんに追いつきたくて、夜中の3時過ぎまで一人で仕事したりしたこともありました。最終的には社長も認めてくれて給料が上がり、20万円くらいはもらえるようになったんです。

吉原:すごい。

大川:あるとき、憧れの鈴木さんに給料の額を聞かせてもらえるタイミングがあったんです。そうしたら、月に40万円ももらっているって言うんです。このときに「この先輩と同じ仕事をできるようになったら40万円稼げるんだ」という“数字”と“技術”が自分の中でイコールになって、「鈴木さんを目指す」という、具体的な目標ができた瞬間でした。

大川祐介インタビューカット

大川:そんな中、鈴木さん個人で受けていた仕事を手伝わせてもらう機会がありました。帰り際にもらった茶封筒の中身を見たら、1万4,000円も入っていたんです。当時の僕の日給は9,000円だったので、鈴木さんから見た僕の技術は今の会社での評価より5,000円も高いのか、ということに感動してしまって。

鈴木さんのことがますます大好きになりましたし、この額で30日働いたら鈴木さんの給料を超える、というのも励みになりましたね。

吉原:いい話ですね。

大川:できることもどんどん増えてきて、鈴木さんと同じくらいのスキルがついたと思ったときに自信を持って「もっと給料を上げてください」と社長に言いにいったんです。そうしたら、「お前はよくやってくれている。でも、若いからダメだ」と言われて、その一言がものすごく衝撃的だったんです。その瞬間、「自分でやろう」というスイッチが0.1秒で入ったのをよく覚えています。

吉原:独立しようと思った瞬間ですね。

大川:そうです。でもそう思えた一番の理由は、鈴木さんがくれた1万4,000円の日当なんです。あの1万4,000円を受けとったことで、「自分の価値を認めてくれるお客様から、直接仕事を受けられたらたくさん稼げる」というロジックができあがっていて、だからこそ社長に交渉しに行ったんだと思うんです。そこが僕のスタートでした。ただ、僕は1人で起業したので、友達と起業された吉原さんが羨ましいです。

吉原:確かに僕は、友人たちに恵まれているかもしれないですね。僕の会社はLIG(Life is good)という名前なんですけど、人生をどうGoodにするか、ということを大事にしていて、気の合う仲間と一緒に仕事をしたいという気持ちが強いんです。

僕が大川さんと違うのは、お金を稼ごうと思ったことがほとんどないということです。お金はもちろん大事なんですけど、やりたいことをやるためのお金があるかどうか、といった話だと思っていますので、過不足なければいいかなという程度でした。

大川:確かに、そこは違うかもしれませんね。

吉原:決定的なエピソードとしては、創業して1年目に5人で1,000万円利益が出たんです。お客さんが想定しているよりも、はるかに早くてクオリティの良いもので返そうという気持ちでやっていて、お客さんに「もうやってくれたんですか?」と言ってもらうのが楽しかっただけなんです。

当時は経営のことを何も理解してなかったので、税金を500万円くらい取られちゃって(笑)。今思えばもう少し気をつけようがあったと思いますが、その経験がすごく面白かったんです。

大川:僕もお客様の要望に対して最高のパフォーマンスを出すことは意識していますね。独立して1年目に、スナックで出会ったお客様から「薬局を作ってくれ」と言われたときも、タウンページで大工さんやガラス屋さんなどを探して何とか完成させたこともありました(笑)。

吉原:そういうときに「できません」と言ってしまうと、その時点で終了してしまいますしね。お客さんに喜んでもらえるものを生み出し続ければ、ずっと仕事はできるんだろうなと思っていましたし、それが楽しかった。「こういうことをやろうぜ」というアイデアに共感する人が増えてきて、会社が大きくなっていった感じです。

大川:経緯は違いますけど、仕事の成果をあげようと一生懸命やってきたら、独立して会社が大きくなっていた、というところに尽きますよね。

社長に“学歴”は必要か?

対談模様2

大川:高校を出ていないと言うと、「社長に学歴って必要ないんですか」ってよく聞かれることがあるんですが、吉原さんはなんて答えてますか?

吉原:学歴は重要なんですよ。人生を合理的に成功させるなら、良い大学へ行ったほうがいいですし、真っ当な企業に入社したほうが人生の勝率は上がります。ただ、そうでない場合もあって、学歴がなくても「その道に乗る」と決めたら、その道をとことん極める人が大成するのも事実です。学歴に関しても同じことが言えて、勉強をとことん極めた人が“結果的に”高学歴になっている、ということなんじゃないかな。

大川:そうですね。僕も学歴は副産物で、「自分に自信があること」がとても大切だと思っています。たとえば「早稲田に入りたい」と思って頑張って勉強して合格できたとしたら、きっとそれは自信になります。自分が決めた道でどれだけ自信をつけられるか。その自信はオーラとして身について、他人から見てもわかるその人の価値になります。

それが結果として評価に繋がる。反対に「学歴のない人間がこんなすごいことをしている」という評価のされ方もあります。ギャップの価値なのか、分相応の価値なのか、という話はありますが、基本的には本人の努力がすべてだと思います。

吉原:本当にそうですね。若いときに何かをすごく頑張った経験を積んだプロセスがあれば何にでも応用が利きますし、“横展開”もできます。逆にそれができない人は参考になるような経験がないから踏ん張りがきかない。その経験があるかを測るわかりやすい指標の1つが学歴だと思うんです。

もちろん必ずしも学歴がすべてである必要はないんですが、学歴の競争で負けているんだったら、他人に誇れる何かを持っているというアピールがないとダメですよね。

大川:僕らは学歴がないですけど、そうした経験はしてきていますからね。

吉原:そうですね。学歴がある人が持っていないもので、自分にしかないものもたくさんあるじゃないですか。他人に誇れるようなものもないなら難しいと思います。何もないんだったら、せめて学歴があったほうが有利だよね、っていう話ですよね。

大川:あと、建設業界に限って言えば学歴はなくてもいいんですけど、ミリの下の単位の数字を扱う業界なので、数字に強くないとダメですね。ガテン系の仕事に見えますけど、意外と繊細さが必要です。

学歴なくして“成り上がる”には

株式会社LIG代表取締役社長・吉原ゴウさん

吉原:色々ありますけど、まずは行動力じゃないでしょうか。最初の一歩を踏み出せるかどうかだと思います。僕らは若いときに起業していますが、当時は何も持ってなかったので、失うものはあってもたかが知れているんですよね。誰かがじっくりと時間をかけて慎重に準備している間に、100回くらいトライ&エラーを繰り返しているので、それが実力になっていきます。まずは行動、じゃないですかね。

大川:行動の前の決断も大切です。イメージするかしないか、そのイメージを具現化するかしないか、具現化するとなったら、どれだけ最速最短で動けるか。

吉原:起業家ですごいなと思える人は、決断から行動までのスピードがめちゃくちゃ速いことです。本当に一瞬ですよね。

大川:懸念材料を集めて、二の足踏んでいる時間がもったいないですよね。「こうなったらどうしよう」と不安に思っても、実際に起こらないことも多いじゃないですか。もちろん懸念が現実になってしまうこともあるんですが、実際に追われると、解決しようと必死で動きます。手と足を動かして、課題に遭遇してしまったほうが早いこともありますよね。

吉原:その通りですね。やりたいと思ったことをすぐに行動に移してしまう子どもだったと思うんです。「面白そう、やってみよう」とか、「やだな、やめよう」とか(笑)。その決断がものすごく早いから学校に馴染めない部分もあったんですけど、自分の気持ちに正直になることは、子どものころから自然にできていたと思います。

大川:「思いついたときに思いついたことをまずやってみるっていう習慣をつける」ということも伝えたいですね。習慣は、頭を使わなくて済みます。朝起きて、歯を磨いて、家を出ることにものすごく頭を使っている人はいないはずなんです。しかし、「決断をする」となると、一気に難しくなる。だから、「思いついたことをすぐに行動に移す」ことで決断を習慣化してしまえばいいんです。そうしたら、人生変わるんじゃないかなと思いますね。

吉原:もう習慣化するにはトレーニングですよね。決断して行動することを習慣や日常にまで落とし込めたら、何でもできるはずなんです。

大川:習慣が人間最大の武器って言われていますからね。

吉原:勉強もそうなんですが、天才肌を除いてはだいたい勉強する習慣がついています。塾に行って宿題をこなして、という流れが日常の中で習慣化されているからできるんです。僕の場合はねぇ、それができなかったなぁ(笑)。だからこそ違う習慣を身につけてきたし、それでいいと思うんです。

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