ネット社会に求められる、現代の塗装職人像

ベテランに聞く、現代に求められる塗装職人とは!?

職人歴19年のベテラン・石山裕之さんは10年の修行を積み、独立した塗装のプロフェッショナル。2011年からはエイチアイクラフト(神奈川県厚木市)という塗装工事会社を立ち上げ、現在は5名の職人を一人前に育成しているところだ。

石原さんによれば、一人前という定義も昔と今では変わってきているという。根性論的な指導は今の若者に通じない、若手の教わるという姿勢にも変化した。

インターネットやスマートフォンの普及により、客の質にも如実な変化が見えるようになってきた。コミュニケーションは不可欠になっている。

「昔の寡黙な存在のままだと職人が務まらない」。

石原さんが考える、現代に求められる塗装職人とは果たして?

独立は「何かを自分で」やりたかったから

–石山さんは、いつごろ独立されたんですか?

石山裕之(以下、石山) 2011年からなので、今8年目です。自分でやりたかったので独立しました。16歳から塗装の会社で10年職人をやりました。一旦遠のいた期間もありましたけど。元々ゆくゆくは独立って思っていまして、もっと稼ぎたかったとかではなく、ただ自分でやってみたかった(笑)。

–独立のきっかけは何だったのでしょう?

石山 20歳くらいの時、何かを自分でやりたかったんです。最初は運送屋をやろうと思ってました。その車を買うお金を貯めるため塗装職人を始めたんですけど、8年くらい続けてしまったので、これで独立した方が「何かをやる」には早いなと。

–会社勤めの頃にみっちりと指導を受けましたか?

石山 みっちりでしたね。ただ「現場に行ってやってこい」というスタイルだったので、自分で学んだ部分も多かったです。最初は素人だったんで2年くらいは人の下に付きましたね。ある程度経ったら、僕も下の育成を任されました。

「仕事は見て覚えろ」の若手職人育成はとっくに古い

近年の若手職人の働き方を語る株式会社Hi-craft・石山さん
石山裕之(いしやま・ひろゆき) / 株式会社Hi-craft(エイアイクラフト) / 防水工事(材工) | 塗装工事(材工)

–塗装職人は足りていますか?

石山 足りてないですね。社員プラス1〜2人くらいはいつも応援にきてもらってます。

–御社の社員はどのような構成ですか?

石山 10代から30代くらいのスタッフが働いています。素人からはじめた人間もいます。

私の時代の職人は「見て覚えろ」でしたけど、今の子たちは答えを求めてきちゃうので教えちゃいますね。何もわからない状態で現場に素人に放るわけにはいきません(笑)。

これまでに素人を2人くらい雇って育成しました。一人は8年続けてもらっていますので、ゼロから育成した方がやめにくいのかなと、考えています。

–塗装職人が一人前になるにはどれくらい時間がかかる?

石山 やる気のある人間なら1年半から2年くらいでそれなりの技術は付くと思いますが、いろんな知識やお客さまの対応なども含めると、やはり5年〜10年の経験は必要だと思います。

昔ながらの職人って寡黙なイメージだと思うんですけど、それだと既存住宅を対象に仕事する塗装の場合、通用しないんです。もはやそんな時代ではないと思います。

–仕事の請け方はどのような形が多いですか?

石山 半分くらいは元請けからの依頼を受けて、半分はお客さまからの紹介ですかね。細かいのも合わせると年間150案件くらい、既存住宅の改修を中心にやってます。

塗装職人に大切な資質

塗装職人に大切な資質を語る株式会社Hi-craft・石山さん

–塗装職人に求められる資質とは?

石山 「現場を現場として扱わない」人であることです。

私たちが手がける現場はすでに人が住んでいる個人財産なので、そういう意識がない人は厳しいですよね。人様のものに手を加えているという理解がないと、トラブルにつながりやすい。

必ずお客さんとの会話も大切にします。はじめも終わりも、もちろん隣近所の方にもにらまれないように挨拶しますよ。現場の前を歩いている方がいれば挨拶。それが普通です。

–トラブルとはどのような?

車の塗装だと、塗れてないところあったらお客さんは怒りますよね?

家は車と比べて面積が大きいので気づかれないことがあるのですが、お客さまへの無礼としては一緒ですよ。

面積が大きかろうが、出来るだけ丁寧に仕上げていかないといけません。塗装も安くないですから。

–トークスキルも磨く必要がある?

石山 このへんは勉強と場数です。こう聞かれたらこう言えっていうマニュアルはないけど、仕事のことはきちんと知っておく必要があります。

今時なんでもネットで調べられますので、お客さまの中には「そんなことまで聞いてくるの?」っていう人もいます。

家の形や材質・環境によって塗装の仕方って変わってくるので、プロならしっかり返答できるだけの勉強と経験をすることです。

塗料も樹脂が違ったりしますし、必ずメリットとデメリットがある。それをお客さまに説明できないと信頼もされない。自分たちが仕事しやすくするためには、やはり説明する能力は身に着ける必要があります。

–では、施工前などには入念に説明すると?

いえ、あんまりたくさんの情報を与えてしまうとお客さまも混乱してしまうので、段階を追って説明していく感じです。何も聞かないお客様ならシンプルに、こういう施工がおすすめなんですとお話しさせてもらいます。結局はトークスキルというか、人と人のコミュニケーションですよね。

サスティナは自分自身の使い方次第

サスティナについて語る株式会社Hi-craft・石山さん

–ちなみに、サスティナに入った理由はどういうところにあったのでしょう?

人脈が広がるっていうところに魅力を感じました。建設業界向上委員会(交流会)とかマッチングって、その場をどう使うかは自分次第だと思いますから。サスティナに入って結果が出なかったっていう人もいましたけど、どう使うかは自分次第ですよ。

–いままでサスティナ良いつながりはありましたか?

元請けさんと会いましたよ、何社か連絡をメールでいただいて。まだ仕事をしたわけではありませんが、1社は契約して、いつでも仕事もらえるようにしてます。でも、今弊社はBtoC増やしていて、塗装業をメインとしながら、屋根の葺き替えも請けるようになっています。なのでこれから使うなら、ウチから案件の発注をしたい気持ちです。今のところ協力業者探しはあまり困ってないのですが。

–今後、石山さんにエリアや事業拡大をしたいというお考えはありますか?

あんまり大きな工事に携わりたいとか、そういう希望はないですけど、やはりもっとBtoCの仕事を請けていきたいですね。あとは、社員を増やしたい。常に求めてはいるのですがなかなか。せっかくなので、記事には「塗装職人楽しいよ」って書いておいてほしいです。

株式会社Hi-craft・石山さん

■企業データ

社名:株式会社エイチアイクラフト

本社所在地:〒243-0217 神奈川県厚木市三田南3-1022

従業員数:5名

事業内容:塗装防水・シーリング屋根板金造園・植栽
企業ページ:
https://sustina.me/company/657565

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