大手のゼネコンに転職するつもりが、気付くと土木会社設立から15年が経過

土木業界で現在の地位に立つまでの仕事の向き合い方から、平成24年に立ち上げた建築部門「BASE+」で今後挑戦してみたい建物まで、志馬建設株式会社の但馬 行雄(たじまゆきお)さんにお聞きいたしました。

営業職で入ったつもりが現場仕事が8割

建設業を始めた経緯を語る志馬建設株式会社代表・但馬さん

— 志馬建設さんの主な業務内容から教えてください

平成16年の設立以来、道路、橋梁、港湾などの公共事業を中心に、コンクリ–ト構造物の補修・補強工事を行なっています。

— 但馬さんが、建設業界に入られた経緯はなんですか?

20歳の時に不動産業と建築業をしている会社に入ったのが最初になります。その後、24歳の時に、土木の会社に営業として入りましたが、会社の中で現場の人材が足りなくて、半ば強制的に現場に行かされました。現場は色々と知識が身につくことが多かったので、その知識を活かした営業もしていましたが、8割は現場の仕事でしたね。

— 但馬さんが独立しようと思ったきっかけはなにかあったのでしょうか?

やるしかなかったんですよ。自分は大手のゼネコンに転職するつもりだったので、独立する気は全く無かったんです。ただ当時お世話になっていた元請け会社の担当の方と飲みに行った際に、突然「会社作って」って言われて、「マジっすか、ま、いいっすよ」って感じのノリで、3日後に会社を作っていましたね(笑)。

— 独立後は担当の方から仕事をもらえて順調にスタ–トされましたか?

今は笑い話ですけど、会社を作ってって言った担当の方が2ヶ月後に転勤になってしまいまして、結果的に仕事が入ってこなかったんです(笑)。

— 仕事の受注相手もない状況でどのようにお仕事を増やしていかれたのですか

意地でしたね。インタ–ネットや、人の繋がりに頼らずにひたすら頭を下げて回っていました。それこそ飛び込み営業もやりましたよ。最初のうちはほぼ現場にいただけの仕事でも、有名な建物だと「すごいね、君たち」と言ってもらえて、勝手に箔が付いたお陰で徐々に仕事が増えていきました。

— 最初は取引先を増やすことで必死だったと思いますが、独立されたことに不安や苦労はありませんでしたか?

ないんですよね。振り返ると苦労もあったと思うのですが、楽しいことのほうが多かったんです。

建築の仕事は面白いけど儲からない・・・なんでだろう(笑)

経営について語る志馬建設株式会社代表・但馬さん

— 現在、経営者という立場での楽しいことや、苦労はどんなことですか

性格上ものを作ることが好きなので、今も現場に出て手を動かすこともあります。昨日も現場で左官の仕事をしていましたしね。経営者としては、当然嫌な仕事もありますが、基本的には好きな仕事を選ぶことができるので、嫌な人と会う必要もないですし、嫌な仕事をする必要もない。良いことしかないんです(笑)。

— 好きな仕事を選べるということですが、現在お仕事をされる上でのスタンスはどのようにしていますか

昔と違って、今は自分たちから「仕事をやらせてください」とは言わないです。取引先から仕事の提案がきた際には、見積もりを提示して、双方が納得できれば進めるという形にしています。決して値引きには応じません。

— 今まで土木のお仕事でこれは大きかったなというお仕事はありましたか

特にはないですね。毎年同じことをやっているのでちょっと飽きてはきていますけどやめるわけにはいかないからね(笑)。ただ、平成24年に建築部門「BASE+」を立ち上げたのですが、そちらは刺激があります。一年に一棟くらいのペ–スで家やビル、工場まで手掛けているんですが、それは作っている工程が見えるので面白いんですよね。でも全然儲からないの・・・なんでだろう(笑)。

— 建築を手がけているとのことですので、社内デザイナ–さんがいらっしゃるんですか

学校などはでていないので本格的ではないんですけど、自分でデザインを描いています。マンションなどは不動産会社に土地を探してもらって、自分が好きなようにデザインしたマンションに仕上げてから建売をするという感じです。

建築部門に力を入れる時にはサスティナは大いに活用できる

— サスティナを導入したきっかけを教えてください

前職の会社の同僚に勧められたんです。特にサ–ビス内容を詳しくは見なかったけど、その紹介してくれた元同僚が勧めるくらいなので良いんだろうと思って入会しました。

— 導入後に何か成果はありましたか

今のところ成果には繋がっていないけど、問い合わせはきますよ。土木は仕事内容が見えにくいので、サスティナを使うのは難しいけど、今後建築部門に力を入れていくようになったら大いに活用したいと思っています。

— 建設業界向上委員会(元請けと職人が出会う場)にご参加されたことはありますか

自分はないけど、社内のメンバ–に参加をしてもらいました。今も連絡を取り合っているから参加して良かったみたいですよ。

土木の世界で未払いなんてしたら仕事はなくなる

土木業界を語る志馬建設株式会社代表・但馬さん

— 建設業界での未払いの話をよく耳にするのですが、土木業界ではいかがでしょうか

土木の世界は狭いので、万が一未払いなんてしたら一気に話が広がって仕事はなくなりますよ。基本的には信頼して仕事をお願いしていますからね。

— 建設業では特に人材不足が課題ですが、志馬建設さんではどのように人材を探していますか

一度求人を出したことはあるんだけど、若い人は中々建設の仕事をやりたがらないから、内定を出したとしても他社にいっちゃうんですよね。だから、最近は信頼できる人に紹介してもらったり、現場で話をしていて見込みがありそうだったら「うちに来ないか」って感じで誘ったりしています。まさに、最近現場で話をした子たちは、会社が倒産したという話をしていたのでそのままうちで面倒みることにしたんですよね。

— 面倒見がいい但馬さんの人材育成について考えがあれば教えてください

うちの会社は基本的には素直な人や人間力がある人を受け入れているので学歴も経歴もバラバラです。育ててるつもりはないんですけど、一緒に現場に入ったり、時間を共に過ごしているうちに自然と世間のことや仕事の指導もしています。

会社を大きくするというのは「夢」があっていいですからね

— 志馬建設さんの今後のビジョンや挑戦したいことはどんなことでしょうか

会社設立から15年で、今後人を増やして大きくしていくのかということを一年くらいすごく悩んでいました。自分に経営能力があるか自信はないんですけど、今は大きくしていくために動いています。ただ、大きくしてしまうと自分で現場に出たり、好きな仕事を選んだりできなくなるし、会いたくない人にあったりしないといけないな・・・などと色々考えてしまいますね。でも、大きくするほうが夢があっていいですからね。

— 建築部門の「BASE+」については今後どのように考えていますか

こればっかりは正直なんとも言えないです。建築の市場はすごく悪いので、その中で大きくしてもな・・・とも思いますし、大きくする要素も見つけられていないんですよね。建築は様子を見ながら徐々に進めていきます。ただ、工場や、民間の建物をもっと作りたいので、その辺りの営業は進めていくつもりです。

面倒見がよくて男気を感じる但馬さん。話を聞いていても基本的なスタンスが「楽しい、面白い」という気持ちの方です。若い職人さんは、今後会社が大きくなってしまう前に、但馬さんに直接、業界のノウハウや仕事に対する姿勢を教えてもらうチャンスです!

取材対象

但馬行雄(たじまゆきお)/志馬建設株式会社/コンクリ–ト、その他土木、土木施工管理

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