20代だらけの足場工事業者に聞く「若手新入社員が会社を辞めない」仕組み!?

21歳、職人経験・営業経験ゼロから始めた足場工事会社

株式会社山上建設(以下、山上建設)は代表をはじめ多くの若い社員が籍を置く足場工事会社だ。社員数22名にして、平均年齢28歳ということに驚かされる。そして入社した社員は会社を辞めない。

多くの離職者や職人の高齢化に悩まされる建設業界において、同社は稀有な存在と言ってもいい。なぜ、そんなことが可能なのだろうか?

山上建設常務・藤原 健太(ふじわら・けんた)さんに話を聞いた。

自身の経歴、足場職人の経験を語る株式会社山上建設常務・藤原さん

–山上建設のお仕事を教えてください

基本は足場の架設工事がメインで、そのほかにリフォーム関連で外壁塗装や屋根工事、樋工事なども請けています。エリアとしては関東一円という形ですね。もともとは会社のある北関東を中心に施工を請けていたのですが、売上を伸ばしていく過程で徐々に東京を中心とした1都3県も増えていきました。

反響などで受注することもありますが、今は8割ぐらいは新規営業で獲得したお客さまというイメージです。ゼネコンさん、工務店さん、塗装屋さんなど、足場を絶対に必要としている会社さんに営業して回っています。将来的には反響だけでやっていければ良いですが、今は新規のお客様を増やしているフェーズです。

–山上建設さんは若い人が多いと聞いていますが、平均年齢は何歳ですか?

社員は22名いて、以前は平均が23歳だったんですけど、最近はちょっと上がってしまって28歳ぐらいですね。ただ、それは経験豊富なベテランに入社してもらえたからということですので、ポジティブな理由によるものです。

–藤原さんはどのような経緯で山上建設に入社したのでしょう?

弊社はもともと社長の山上と常務の者が、21歳のときに独立して立ち上げた会社です。私は職人の経験はなかったのですが、立ち上げ間もないころに、同窓会で山上に誘われて入社することになりました。そこから2年半ぐらいは私も職人として仕事をしていましたね。

当初、会社としてもまだ繋がりなんてほとんどなかったので、自社で請負って仕事することはほとんどなく、他の足場業者さんの協力業者として仕事をしていました。ある程度軌道に乗ったのが2年半ぐらい経ったころで、そこから本格的に自社請負の仕事を増やしていくことになり、私は営業に専念していくことになったんです。

–営業職の経験はあったのですか?

社会人となって初めて勤めた前職は農業機械メーカーで、そこでは設計の仕事をしていました。ですので、山上建設に入社する前は、営業の経験もまったくありませんでしたね。先輩がいるわけでもないですし、山上もさほど経験してきたわけではなかったので、営業のノウハウは各々が自ら学んでいきました。

弱みだった「若さ」を強みに転換

自社の強みを語る足場工事会社「株式会社山上建設」常務・藤原さん

–初めての営業は、ご苦労も多かったのでは?

最初はどこに営業しにいけばいいのかもわかってませんでしたね(笑)。ネットで施工会社などを調べては電話して、アポを取り、お会いしに行くの繰り返しでした。ただ、電話も事務員さん止まりでなかなか担当者さんにつないでもらえず、やっとの想いでアポが取れても結局仕事をもらえない。半年ぐらいはずっとそれが続いてました。

–何社ぐらい回ったのですか?

正確には覚えていないですけど、県内で100社ぐらいは足を運んだかもしれません。電話で断られた会社さんも含めると、とんでもない社数になると思いますね。

–何か仕事を請けられなかったことに理由があったのでしょうか?

当時は足場の資材も持っていなかったですし、会社として経験が少なかったというところで「ここは無理だろう」と決めつけられていた部分もあったのではないでしょうか。

–当時23歳という若さがネックになっていた部分もあったのでは?

あったと思います。ですが、それをポジティブに捉えてくださる会社さんもいてくれたので、営業手法も「若さ」を強みとして押し出すようにしました。そうやって徐々に仕事を請けられる機会が増えてくると、逆に以前断られた会社さんから「最近頑張ってるね」と発注の依頼が来たりして、状況が好転していきましたね。

–藤原さんは別業種から建設業界に入ったわけですが、抵抗などなく入れましたか?

建設業の知識もまったくなかったのですが、3Kのイメージみたいなものはぼんやりと持っていました。そんな状態で入ってみたら「(3Kって)ホントなんだ」と(笑)。自分でも最初は「続かないだろうな」と思ってました。でも、自分たちだけで始めた会社なので、仕事した分だけ収入が入ってくるのが良かったりもして、納得しているところもあったんです。

やがて、会社が人を雇うようになってきて意識が変わっていきました。社員を養っていく必要があるので、最初は自分のためにやっていた仕事が「会社のために」と前向きに捉えるようになったんです。そのためには環境を整えなければいけないし、建設業界も変えていかないといけないと思いました。

平均年齢28歳、離職者を出さない仕組みとは

社員が辞めない理由を語る足場工事会社「株式会社山上建設」常務・藤原さん

–山上建設が足場の架設工事を行うことの強みはなんですか?

やはり、弊社は「若さ」を武器としていますので、ご要望に対して柔軟に対応できることだと思います。複雑な組み方をしなければならなかったり、工期が短かい案件などをゼネコンさんなどから「面倒な工事なんだけど……、山上さんのとこならお願いできないかな」とご指名いただくことも多いです。できうる限り「柔軟に対応する」ことを心がけています。

–そんな山上建設はなぜ、サスティナに加入したのですか?

弊社の場合、サスティナさんへのニーズは受注・発注の両方でして、割合としては7対3といった感じでしょうか。特に受注の面でサスティナに加入されている大手建設会社と繋がりたかったという希望がありましたね。

–建設業界は職人の高齢化という悩みを抱えていますが、そんな中で山上建設に若いスタッフが多い理由を教えてください

代表の山上や専務、私など会社の上の人間が若いっていう部分の影響はあると思います。あとはスタッフの誕生日を始め、お花見、社員旅行など社内イベントをたくさん企画して実施しているので、楽しめる環境も提供していることが好影響になっていると嬉しいです。また、若い人間が多く働いているという事実が、新たに若い人を惹きつけているのかもしれません。

会議スペースの壁に貼られていたイベント時などの写真
会議スペースの壁に貼られていたイベント時などの写真

–若いスタッフが辞めないことも平均年齢の低さの維持に関係していると思うのですが、いかがでしょう?

そうですね。昔は入社したうちのほとんどの人間が半年以内に辞めていたと思います。ですが、ここ3年ぐらいで入社したスタッフはほとんど辞めていません。今いる社員のほとんどが社歴2年以上ですね。

–ほかに社内で行なっていることなどありますか?

職長会議と全体会議を毎月実施していますし、技術の練習会のようなものも定期的に行なっています。まだ習熟していないスタッフにとっては、技術を身に付ける良い機会になっているようです。現場では見て覚えることも必要だったりしますが、練習の場を設けることで、現場でじっくり聞けないような話も質問することができます。

–社内独立制度というものもあるそうですね?

一人親方という形で独立しながら、弊社から仕事を請けることもできますし、場合によっては個人で別の会社から仕事をもらうこともできる仕組みになっています。独立当初は足場材を購入することも難しいので、運搬用の社用車も含めて貸し出したりもしています。現在、この制度を利用しているスタッフが3名いますね。

–至れり尽くせりですね。ほかにもキャリアアップ制度というものも設けられています

足場職人は体力も必要ですし、年齢的に続けることが難しい面もあります。ですから、施工管理に進んだり、私のように営業に進んだりすることができるように、成長を促すための制度として考えています。まだ、制度として不十分なところもあるのですが、きちんと形にしていければと整備していっているところです。

足場工事会社「株式会社山上建設」で行われる社内イベントでの集合写真
写真提供/株式会社山上建設

–山上建設が足場工事をする上で大切にしているところがあれば教えてください

足場は組んだものを、最終的に解体しますので形には残らない仕事です。だからこそ、スタッフには「形に残らないけど、関わる人たちの『想いに残る仕事』をしてほしい」と伝えています。「ありがとう」とか「山上建設の職人さんってこういうところが良いよね」などと言われるのは、「想い」の中に残っているからだと思うんです。

–「想いに残る」。素敵な言葉ですね。最後に山上建設のこれからの目標を教えてください

直近では新規顧客を100社増やす(受注ベース)ということを掲げていて、まずはそれを達成したいです。また、採用の面でもスタッフ100人という目標があるので、5年後ぐらいには達成できていれば良いんですけどね(笑)。

–本日はインタビューに答えていただきありがとうございました。山上建設の「若さ」の理由を垣間見た想いです

取材対象

株式会社山上建設常務取締役・藤原 健太

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