【波乱万丈な建設人生】20代で解体工事会社を起業した軽天職人

解体工事会社エムクリエイトの若手社長

三木彰悟さんは、建設現場で体罰を受け、いったん建設業を離れた経験を持つ。しかし“運命”を感じて、ふたたび建設業に舞い戻り、若くして解体工事会社・エムクリエイト(大阪府豊中市)を立ち上げた苦労人だ。

高校中退後に軽天・ボード工事の職人として修行した際は、昔ながらの「見て覚えろ」という体罰付きの教育を経験。さらに、見た目が年齢よりも幼く見られるため、建設現場で「舐められる」ことが多かった。

しかし三木さんは、舐められたことも体罰もマイナスには思っていないらしい。むしろ、その逆境を自分が成長するためのバネにしてきたという。

——そして2019年、三木さんが起業したエムクリエイトの売上高は約2億5000万円に到達。自社職人16人で「満足度100パーセントよりも1歩先に」という意識を大事にしながら施工にあたっている。

そんな三木さんに、ご自身の波乱万丈な「建設人生」を振り返ってもらった。

「見習いは体罰の極み」一度離れた建設業

若手の頃の体験を語る軽天ボード・解体工事のエムクリエイト社長の三木彰悟さん
三木彰悟(みき・しょうご)/エムクリエイト/解体工事(工事のみ) | 軽鉄・ボード工事(材工)

–三木さんが建設業の仕事を始めたキッカケは?

三木彰悟(以下、三木) 高校を中退して16歳から建設業で働いています。軽天・ボード工事の職人として3〜4年下積みを経験し、その後、同じ軽天・ボード屋で転職2回。今は解体工事と軽天・ボード工事をメインとした工事会社を運営しています。

見習い時代は、簡単に表現すると、体罰の極みでした。「見て覚えろ」という基本方針で毎日シバかれてましたね。

雑務みたいな仕事をどれだけ早くこなして、その次にようやく技術的な作業させてもらえるかどうか、という世界で走り続ける日々。スピードが命でした。

今の時代だと「見て覚えろ」という建設業の職人教育はダメだと指摘されています。しかし個人的にはその教育が悪かったとは思っていないんです、結果的には身になってますから。見習い時代に忍耐力が鍛えられたおかげで、それ以上にしんどい経験をすることはなかったですし。

でも、じつは私もシバかれるのが嫌で、一度は建設の仕事を辞めたことがあるんです(笑)。

建設業に復帰。20代で解体工事会社を独立開業

–三木さんも建設業を離れたことがあったんですね?

三木 はい、毎日シバかれるのがキツくて、いったん軽天・ボード職人を辞めて、高校卒業の資格を取りました。それで大学受験したんですけど落ちまして……そこから夜の仕事をやっていました。

しかし、その頃結婚することになり、再びもっと良い働き口がないかと職を探したところ、建設業関連の会社を身内から紹介されたんですね。

これも私にとっては何かの巡り合わせなのかなと……。そう思って建設業に戻ることになりました。その会社から独立する形で立ち上げた会社が、いま自分で経営しているエムクリエイトです。

エムクリエイトでは解体工事と軽天・ボード工事をメインに、内装一式工事の仕事も請けています。2019年の売上高は約2億5000万円。専属的に仕事をしてくれている現場管理者6人、自社職人16人で、解体工事は内装解体をさせてもらうことが多いですね。

店舗・オフィスの新装工事から、店舗の現状回復やオフィスの移転に伴う現状回復、改修する前の内部の解体など。自社で軽天・ボード工事もできるので、そこまでを抱き合わせで依頼してもらうこともあります。

–若くして建設業で独立してみて、苦労はありますか?

三木 童顔で幼く見られるせいか、舐められることが少なくなかったです。すぐに上から目線でこられて……。

たとえば、同業者から重機を貸してほしいと頼まれて、リースで借りていたものを又貸しするようなことがあったのですが、急に連絡が取れなくなったことがありました。

重機自体は取り戻すことができましたが、リース屋さんに支払ったお金を回収することはできずに終わりました。

ほかにも、約束の現場に業者が来ないとか、見積を作って日程調整しようという段階で連絡がつかなくなってしまうケースも結構ありました。でも、そういう場面での悔しさを、逆に仕事での活力にしているところもあります。

それに、もう二度と同じような被害には遭いたくないので、事前に契約をしっかり交わすようにしようとか、面談するときにしっかり人物を見ようとか。改めて慎重に業務遂行するための気付きにもつながっています。今でも建設業界には、そういう注意しなければいけない人たちがいるのも事実ですから。

図面がない現場の解体工事のコツ

工事のやり甲斐を語る軽天ボード・解体工事のエムクリエイト社長の三木彰悟さん

–解体工事のやりがいは何ですか?

三木 モノには作る順番がありますけど、解体はそれが逆になるんです。むやみに壊していくわけではない。産廃をどう分別するか、という闘いですね。

効率よく分別するための解体を遂行していくのがコツです。発生したゴミを溜めすぎたら、次に運び出さなければいけないモノが出せなかったり、通れなかったりもするので、そこを考えながら作業していくのは楽しいですね。

そして、エムクリエイトでは「次の作業のことを考えられる解体工事」というのを売りにしています。

「あとの工事がこうだから、ここまでやっとかないとマズいね」とか、打ち合わせ段階で共有しておく。ただ解体していくのではなくて、次のテナントさん、次に入ってくる施工業者さんが仕事をしやすいように解体作業を進めていきます。

––解体工事も打ち合わせが重要なんですね?

三木 私の仕事はほとんど打ち合わせです。人手不足のときは、今でも現場監督や作業員として出ていくときもありますが、普段は営業、積算、見積作成、現地調査の打ち合わせがほとんどです。

たとえば、この解体工事が何のために解体するのか、といった内容を事前にクライアントからしっかりヒアリングして、「それならばこうした方がいい」といった提案もさせてもらいます。

毎回けっこう濃い打ち合わせをしています。大事なのは工事前はもちろん、トラブルがあれば工事中でも、しっかり打ち合わせをすることです。

4階建てのビルの1階に入った店舗の解体工事をするときなどは、ダクトが上までつながっているので、ビル側との打合せなども発生します。特に電気・防災、空調などは全館ストップみたいなことも起こり得るので入念にやります。

設備などについてビル側が「ああしてください、こうしてください」と細かく言ってくれるようなところならまだ良いのですが、全く把握していないこともあるので、逆にこっちから教えてあげることもあります。

それも図面があればいいんですけど、図面が無い現場もけっこう多いんです。その場合現場を見て、予測を立てて解体していきます。

そしたら壁の中や床の下から、何かしら予想外なものが出てくるんです。それでプランがガラっと変わることもあります。だからまた打ち合わせをしての繰り返し。

床の下から古い床が出てきて、さらにその下にも床が出てきて「何枚張ってんねん」みたい場所とかもありました(笑)。店舗が出たり入ったりを繰り返す中で、そんなことになったみたいです。

総合建設業を目指すエムクリエイトの事業拡大

–今後、三木さんとエムクリエイトの目標は?

三木 一番の目標は、まずはエムクリエイトを存続させることですね。ゆくゆくは小さくても総合建設業という形にしたいと思っています。そうなるためにも自分の知識や経験をより一層積み重ね、スキルアップしていきたいです。

仕事で関わる自社社員、職人さん、協力業者さんとしっかりタッグを組んで、いっしょに成長の喜びを共感し合っていけると最高です。事業拡大のために協力業者さんは増やしたいですし、仕事をたくさん確保できれば、人材採用も増やしたいと思います。

[企業情報]

社名/エムクリエイト

https://sustina.me/company/656784

本社所在地/大阪府豊中市蛍池東町4丁目3番地15号 メッセミキ2F

対応可能職種/解体工事(工事のみ), 軽鉄・ボード工事(材工)

対応可能エリア/近畿一円

 

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