「職人の社保や資格の不備が多くて発注できない」ゼネコン下請けの悩みと職人企業のチャンス!

職人企業が『今日は仕事あるけど明日はわからない』から脱する道

ゼネコン関連のプラント工事や公共工事、そのほかに電気関連工事を請け負っているとある工事会社A社は、協力業者となってくれるはずの職人企業が各種資格や建設業許可を保有していないことや、社会保険が整備されていないことで仕事を発注できずに困っているという。

曰く、「もっと資格、社会保険が整った会社さんがいてくれたら、その会社もウチもみんな幸せになれる」(以下、前出A社社長)のだとか。これは職人企業へ向けたある種の嘆きでもあるが、その一方で職人企業へのアドバイスとチャンスでもある。そこさえ整備してくれたらこの業界には「頼める仕事がいくらでもある」からこそだ。

職人企業はかたや忙しくて人手が足りないと叫ぶ一方、経営、資金繰りが上手くいかずに事業をたたむところも少なくない。同社長が言うには『今日は仕事あるけど明日はわからない』という世界から脱する道は、自社の環境を整えるだけでかなり開けてくるらしい。その声に職人は耳を傾ける価値はあるだろう。

ゼネコンや大手クライアント案件を請けられるメリットは「安定」

海沿いにあるプラント

「創業から時間をかけてゼネコンの仕事を受けられるようになっていきました。安定したかったから」

今と時代も違って、社会保険に入っていない会社が少なくなかった頃、A社もそんな時期があったという。だがA社社長は『今日は仕事あるけど明日はわからない』ような不安定な状況から脱するための方策として、ゼネコンや大手クライアント関連の仕事を請けられるようになる体制づくりを目指した。

もちろん、そこに入り込むための環境を整備するのには少なからず労力が必要。それでも、A社社長からすれば、先の見えない不安定さと一緒にずっと仕事をしていくよりは、一時的な努力で安定できる環境を手にする方が何倍も良かったということだろう。堅実な道である。

では、そうしてゼネコン関連や大手クライアント絡みの仕事を請けられることで得られる『安定』とはどんなものだろうか。例えばこんなケース。

製鉄所の案件の場合、海の近くに建てられているため、海風で建物などが常に錆びていく。したがって常に改修・修繕の仕事発生するために、頻繁に工事の予定が立つ。また製鉄所は、“万が一”つぶすということになっても、それまでに4〜5年はかかかるのですぐに仕事がなくなることもない。

他にも有名テーマパークなどの案件も、数年かけて作っていくため、仕事は長く続くものが多いのだとか。

どんなに優れた技術も、それを売れなければ・・・

社長インタビューのイメージ

ゼネコンに限らず、基本的に工事はトラブルが発生してしまったとき、その責任が元請けのものとなってしまう。だからこそ、コンプライアンスや建設業のトップランナーという体裁などからも、ゼネコンは『保険に入っていないなら頼めない』という選択になるのも当然。リスクは犯せないというのが基本スタンスだ。

すると、国策に近かしい案件や大手のクライアント案件であればあるほど、協力業者となる職人企業もその工事に“対応し得る環境”を整えた会社になる。

「職人がどんなに優れた技術という武器を持っていても、それが売れるものでなければ意味がありません。弊社も近々で内装屋、クロス屋さんに、頼みたい仕事が多数ありますが、保険や資格の部分がネックとなり頼めるところが少ない状態です。

また倉庫の外構工事の話をゼネコンさんから受けていますけど、信頼できて、しっかりやってくれる協力業者が2〜3社いたら継続的に請けられたんです。でも1社しかいないから、単発で終わってしまう可能性があります」

A社社長の言葉は嘆き節。というのも、同社には“そういう仕事”はたくさん降りてきている。しかし、社会保険や資格、建設業許可などを完備していない施工業者が多くて依頼できるところが少ないのが現状なのだそうだ。

同社長が語った「信頼できて」に含まれる意味としては、職人の技術に加え『社会保険』『資格』『建設業許可』と言った意味合いが込められているのは言うまでもない。ゼネコン関連や大手クライアント案件などの仕事を請けるには、それらを整えてこそスタートラインに立てるのだ。

ちなみに、時おり問題となるのが、車両保険だけ入ってないパターンらしい。せっかく、他が整備できていてもこれでオジャンとなってしまうのは勿体無い。

“安定的な仕事”を請けられるようになるために

社長インタビューのイメージ

建設業も今までとは違って、「資格を保有する」「納期は守る」という風に、ビジネスの雰囲気も変わってきている。しかし、一部民間の工事では未払いなどのトラブルが頻発しているのも事実だ。

「社会保険完備」など現在の建設業を取り巻く環境は、下請けなどの弱者を守るというよりも、それまでの『ノー・ルールさ』をどうやって取り締まるかという話になっているようにも見える。

「民間工事をやったときに頼んだ協力業者さんが、約束通りに来ないとか、気に入らないことがあって帰ってしまうなんてことがあって唖然としました。ゼネコンの現場では絶対になかったこと。プロとしての意識レベルを疑うこともありましたね」

これはA社社長が元ゼネコン出身だからこそ感じた、独立後の体験談。そんな職人企業はプロではないという前提の上で、“安定的な仕事”を請けられるようになるためのハードルは決して高いものではないと言う。

「資格や保険は仕事を請ける準備だと思うので、それなくして仕事がほしいと言われても困ってしまいますが、技術は普通、水準レベルでもいいんです。むしろ『約束や契約をちゃんと守ってくれるか』の方が大事。でも、これまでノー・ルールだったし、誰でも入ってこれた業界だったからこそ、それを求めるのが難しいのかもしれない。

ただ、真面目にやっている優秀な職人さんには、町場の工事だけじゃなくてもっと大きな仕事をしてほしいと思っています。資格や保険を整備してくれたら、頼めるプラント工事や公共工事の仕事はいくらでもあるんです。少し身ぎれい(仕事を請けられる状態を作る)にすれば、できますから」

現在、見えない壁に阻まれて伸び悩んでいたり、日々仕事を得られるか得られないかのギリギリの緊張感に苛まれているような職人企業にとっては、一考の余地ある話のようにも感じるところ。

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