【施工管理の仕事術-3】施工管理歴14年のベテランが教えるスムーズな現場の仕切り方

若手が悩みがちな「職人とのコミュニケーション」の取り方

とくに若手の施工管理が悩みがちなのが、職人さんとのコミュニケーションの取り方です。20代のうちは年上の職人と接する機会が多いこともあり、「軽く扱われる」「指示出しがうまくできない」といった声がよく聞かれます。もちろん僕も若手のころは四苦八苦しながら、職人さんたちとの関係性を築いてきました。

ユニオンテック株式会社・小島さんが現場監督を勤める現場

とはいえ難しく考えすぎる必要はなく、一番大切なのは根底に職人さんに対する「リスペクト」があることではないでしょうか。普段の人間関係と同様に、相手のことを知って尊重する気持ちを持つことです。それは下手に出ることとは違います。こちらが職人さんに対価を支払ってお願いしているわけなので、あくまで対等な立場で職人さんと付き合う。そして、彼らは「僕ら施工管理の指示で動いている」と認識してください。

指示を出すときのコツは、第三者が見てもパッと理解できるぐらい、わかりやすく明確にすること。図面に寸法を細かく記入するのはもちろん、それだけじゃわかりづらいときは口頭で補足するなどの配慮も大切です。僕は日々、ランチタイムやちょっとした休憩の間に、職人さんと仕事のすり合わせをすることが多いんですが、毎朝ミーティングの時間を設けてもいいと思います。

職人に指示を出すとき図を書きながら説明するのがユニオンテック・小島さんのやり方

作業を進めるなかで職人さんと意見が食い違ったときは、お互いが納得するまで話し合いましょう。僕の場合は図を書きながら、最適な方法を一緒に考えます。最終的に設計者に了承を得たうえで進めますが、「いかにクライアント目線に立てるか」が重要なポイントであることを忘れないでください。

それぞれのクライアントは内装にかけるコストも違えば、求めている水準も違います。たとえば惜しみなくコストをかけるハイブランドの現場では、1ミリ単位のズレさえも許されません。そのように相手の目線に立って考えられるかどうかが、クライアントの満足度につながるのです。

最終工程「塗装工事現場」で気をつけるべきポイント

ユニオンテック株式会社・小島さん

壁や仕切りを付ける間仕切り工事が終わったら、いよいよ最終工程となる「塗装工事」に移ります。加工なしの塗装だけなら3〜4日、加工が入ると5日ほどの作業時間が一般的です。塗装の工程では、まずクライアントや設計者とイメージが共有できているかどうかが成功のカギ。あらかじめデザインは決まっているものの、細かい色のニュアンスは両者にサンプルを見てもらい、OKが出てから進めます。

ユニオンテック株式会社・小島さんが現場監督を勤める現場
ユニオンテック株式会社・小島さんが現場監督を勤める現場

今回の現場では、ただ色を塗るだけではなく、かすれたような風合いを表現しており、さらにカラフルな板をいくつも並べて壁を作っています。色味はクライアントさんにチェックしてもらいましたが、板を並べる順番は現場のセンスにお任せという要望でした。

設計者はいるものの、任せてもらえる事例もあるので、現場の人間もセンスが必要なんですよね。僕は美術や音楽などを通じて普段から感性を刺激しているんですが、五感を磨くことを意識すると仕事に生かせると思います。イメージの共有ができたら、あとは作業的な問題で、ボードとボードのジョイント部分をいかにフラットに埋められるかどうかが重要。

つなぎ目をパテで埋める「目地パテ処理」を丁寧にしないと、そのあとの塗装仕上げに影響が出てしまうからです。それは職人さんの技術力次第ではありますが、施工管理がしっかりチェックして、「少し甘い」という箇所があったらすぐに指摘すること。細かい指示出しを徹底することで、乱れのないキレイな仕上がりになります。

ベテラン小島さんが若手に送る総括的なアドバイス

アドバイスを送るユニオンテック株式会社・小島さん

今回の現場では、新人である竹内を責任者として育成することが、僕の一番の課題でした。ただ、僕が現場に付いていることで彼が安心してしまい、最終工程まできても把握していない箇所がありました。最終的には突き放して「職人さんへの指示は全部ひとりでやりなさい」と彼に伝えました。

それから竹内は慌てて図面を見直していましたが、結局彼自身が積極的に動かないと力にならないので。人はどうしても、プレッシャーや何らかのストレスがないと成長しないと思うんです。だから、あえてきつく言いました。若手の皆さんに一番意識してほしいのは、先輩から指示を受けて初めて理解しようとするのではなく、「自分が責任者なんだ」という自覚を持って主体的に取り組むことですね。その姿勢で、成長度合いがまったく変わります。

若手を指導するユニオンテック株式会社・小島さん

また、普段の生活でも視野を広げて周囲を見渡したり、効率化を意識したりすると、仕事にも好影響があると思います。現在の建築業界の働き方だと、複数の案件を同時進行で進めなければいけない場面が多く、常に先を見越して動かないと、いつかしわ寄せがきてしまいます。

将来的には1件1件着実に終わらせるスタイルを確立するのが理想的だと思うのですが、それぞれの会社の事情もありますし、すぐには難しいかもしれません。ただ、理想の働き方ができるように、今、精一杯後輩を育成しているところです。若手の皆さんは自分の時間がなかなか持てず、体力的にも厳しい仕事だと感じることもあるでしょう。

しかし、クライアントさんから直接感謝の言葉をいただけるやりがいのある仕事ですし、一人ひとりがレベルアップすることで、働き方を変えていくことがきっとできるはずです。ぜひ一緒に、建築業界を盛り上げていきましょう!

【施工管理の仕事術-1】施工管理歴14年の小島さんが教えるスキルの身につけ方

https://sustina.me/magazine/105

【施工管理の仕事術-2】施工管理歴14年のベテランが教えるスケジュール管理術

https://sustina.me/magazine/107

取材・文=小林 香織

【施工管理の仕事術-3】施工管理歴14年のベテランが教えるスムーズな現場の仕切り方
最新情報をチェックしよう!
>建設マッチングサービスSUSTINA(サスティナ)

建設マッチングサービスSUSTINA(サスティナ)

SUSTINA(サスティナ)は大工・内装工事・設備工事・足場・鉄筋・解体・土木をはじめ全国10,340社の建設会社が登録する業界最大数のマッチングサイトです。これまで人の紹介で繋がりを作ってきた建設業界の「新たな出会いの場」として、SUSTINA(サスティナ)は工事職人探しや工事の受発注をより簡単に、お客様の目的に合ったサービスをご提供します。

CTR IMG