【施工管理の仕事術-2】施工管理歴14年のベテランが教えるスケジュール管理術

前回の振り返り

きっちりしたマニュアルのない施工管理は、指導してくれる上司によって、教育方法がまったく異なるのが現実です。そこで、「何が正解なの?」と悩みがちな若手の施工管理へ向けて、豊富な経験を持つベテラン施工管理が手ほどきする仕事術を取材しました。

答えてくれたは、第1回に続き施工管理一筋14年のベテラン、ユニオンテック株式会社の小島鷹諒さんです。取材は現在、小島さんの部下である竹内江輝さんが施工管理を務める現場にて実施。下地・間仕切り・塗装のそれぞれの工事現場におじゃまして、その工程ごとのポイントや施工管理の仕事のあれこれを訊きました。

【施工管理の仕事術-1】施工管理歴14年の小島さんが教えるスキルの身につけ方
https://sustina.me/magazine/105

施工管理の肝!「スケジュール管理術」

現場を管理する上で必須となる工程表
現場にスケジュール表は必須。いつでも工期を確認できる状態をつくるのも施工管理の仕事

図面を形にしていくうえで、重要になるのが「スケジュール管理」。施工管理はスケジュール管理ができるようにならないうちは、一人前とは言えません。僕らが請け負う建造物は、あらかじめオープン日(クライアントへお渡しする日付)が設定されています。この日付から逆算して、「いつまでに何を終わらせるべきか」というマスタースケジュールを設定するようにしましょう。
主な作業項目は、以下の通りです。

  • 設計図の作成(作成は基本的に設計士が担当しますが、納期までの設計図締め日等のスケジュール調整は施工管理の仕事)
  • 資材や業者の見積り依頼
  • 資材や業者の発注
  • 解体工事(現場によってない場合もあり)
  • 下地工事
  • 間仕切り工事
  • 塗装工事

若手のころは、各工程にどのくらいの時間がかかるかが読めないのは当たり前ですが、そこは経験豊富な先輩や現場を請け負う職人さんに相談するなどして、極力無理のないスケジュールを立てることが重要です。どうしても納期に無理がありそうなときは、引渡し日を後ろ倒しできないか前もってクライアントに交渉する必要があります。

そして、設定したスケジュールを滞りなく進めるためのポイントが、前回お伝えした通り「設計図が問題なく形になるかどうか」をよく検証しておくことです。施工段階でやり直しが発生すると次の工程の大幅なタイムロスになり、スケジュール通りに進めることが困難になってしまいます。

よく若手の施工管理が失敗するポイントが、この設計図が形になるかの検証と、スケジュール通り進めるかというところなんです。「失敗は成功のもと」という言葉通り、失敗して身につくということも大いにあるため、一度や二度の失敗でクヨクヨせず、そこから多くの学びを得るように心がけてください。ただし、日頃から作業の先を読んで行動するクセを付けておくことをオススメします。

塗装の前工程「間仕切り工事現場」で気をつけるべきポイント

間仕切り工事を終えた現場内部
間仕切り工事を終えた現場内部。すでに空調も組み終わっている

塗装の前段階として、壁や仕切りを施工する工程が「間仕切り工事」です。ここまでくると図面が形になってきて、現場作業的に全体の5割ぐらいの完成度になります。この現場では、このあと照明を取り付けて、塗装をするうえで凹凸がないように整える作業をおこなってから、塗装工程に移ります。

この間仕切りの工程内では、「何を先に終わらせるか」の順序が重要なポイントとなります。たとえば壁に木枠を付ける作業をする場合、当然、壁の下地が完成していなければ始められません。そういった作業順序を把握して、職人さんがスムーズに進められるように指示するのが施工管理の重要な役目です。

この段階で大きなやり直しをすることは、基本的にありません。もし、ここでやり直しが発生したなら、スケジュールが狂ってしまうので、その後の塗装工程はもちろん、完成が遅れることは言うまでもありません。事前に設計図を隅々まで確認しておけば、間仕切りの工程で大きなやり直しが発生することはまずないので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

何度も更新される内装設計図
何度も更新される内装設計図。赤字で指示を記しながら作業を進めていく

細かい設計図の検証は、漏れがないように集中しなければならず、やはり苦労は伴います。ですが、その検証さえ手を抜かなければ後半は微調整のみで、あとは仕上がりを待つだけです。最初のスタートダッシュをがんばれば、あとが楽になりますよ。それでも現場で判断しなければならない細かい部分は出てきますが、その都度、職人さんと相談したり、過去の経験から判断したりして解決策を導いていけば、大きな問題にはなりません。

施工管理の仕事のやりがいと目標設定

施工管理でありながらも、実際に作業を行うユニオンテック・小島鷹諒さん
施工管理でも自分たちで実際に作業を体験し理解を深める事で、的確な指示ができるようになっていく

施工が始まれば、現場中心の生活となり、スケジュールによってはプライベートの時間が少なくなることがある施工管理ですが、僕自身は非常にやりがいを感じながら働いています。設計図からイメージした思い通りの建物が完成し、クライアントから心のこもった「ありがとう」の言葉をもらった瞬間は、言いようのない充実感がこみ上げてきます。

過去に飲食店の内装を担当したクライアントから、「お金はいらないから、今度食べに来てくださいね」と言われたことがあり、とても嬉しかったですね。もちろん、同じクライアントに二度三度とご依頼をいただけることも本当にありがたいです。

現場で明るく振る舞うユニオンテックの施工管理・小島さん
小島さんの現場はいつも明るい。こういった現場の雰囲気をつくるもの施工管理次第

自己満足の世界でいうと、無茶なスケジュールを指定されたのに期日通りに完ぺきに仕上げられたときは、「こんな難しい仕事をできるのは自分しかいないだろうな」と自負する気持ちよさもありますね。すべてはクライアントに喜んでいいただくための気持ちからなんですけどね。これは、ある程度実績を積んだ監督ならではのやりがいかもしれません。

最初のうちは、こなすだけで精一杯なのはみんな一緒です。経験を積んでいくうちに、少しずつやりがいを感じられる場面が増えてくるはずです。一方で、若手のうちは目標設定が難しいという課題があると思います。予算は現場ごとに変わるので、売上の目標は設定しづらいということがあります。

売上の目標設定が難しい場合は、いかに一つひとつの現場を「低コスト」「短時間」で終えるか、かつクライアントに喜んでもらえる「顧客満足度」を上げることに注力するのが一番でしょう。さらに、職人さんからも「一緒にできてよかった」と言われる施工管理になることです。人や会社に必要とされるようになれば、自分のモチベーションもあがりますしね。

正直、14年も施工管理を務めている僕でも、スキルが上がっているという実感を持つのは難しいです。現場の難易度は、毎回担当する案件ごとに違います。しかし各物件,各現場をいくつも経験することで、確実に自分の引き出しが増えているのは事実です。そういった経験から少しずつ自信がついていくものだと思います。

次回予告

最終回となる第3回目は、「仕上げとなる塗装の工程で気をつけるべきこと」「職人とのコミュニケーション術」を徹底取材。さらに、小島さんから悩める若手監督たちに贈る総括的なアドバイスも。どうぞ、最後までお見逃しなく!

【施工管理の仕事術-3】施工管理歴14年のベテランが教えるスムーズな現場の仕切り方

https://sustina.me/magazine/108

【施工管理の仕事術-1】施工管理歴14年の小島さんが教えるスキルの身につけ方

https://sustina.me/magazine/105

取材・文=小林 香織

【施工管理の仕事術-2】施工管理歴14年のベテランが教えるスケジュール管理術
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