協力業者を募集するとき、職人に魅力と映る一手、悪天候での工事休業による損失を補う「天候デリバティブ」

建設業界は、職人の不足により各社が協力業者を探すのに苦労しています。そこで「天候デリバティブ」という金融派生商品を利用して、その募集を魅力的にしてみてはどうかという提案と紹介です。

悪天候での工事休業による損失を補う「天候デリバティブ」

『天候デリバティブというものを知っていますか? 建設業の仕事は天候に影響を受け、仕事ができなかった場合には損失となってしまうケースもあります。この天候デリバティブとは、そんな仕事の不確かさによって損失を被ってしまうかもしれない状況を軽減するために、作られた金融派生商品です。

気温や降水量、風速など、気象庁が発表する天候に関するデータを用いて指標を作り、「あらかじめ契約で定められた指標」(免責数値)と、「実際の気象現象によって発生した指標」の値との差異に応じて金銭の受け取りを行うというものです。言葉で説明するのは難しいので、建設業で起こりうるケースに置き換えてみます。

建設業の場合、施工内容によっては大きく天候に左右されることがあります。その結果工期が伸びてしまい、想定していた利益よりも金額が少なくなってしまった(=損失)としましょう。この天候デリバティブは言うならば、「こんなに悪天候が続いていなければ、利益は多かったはず」という考え方をベースに、あらかじめ定めた計算に則って、損失を補填してくれるようなものです。

建設業における天候デリバティブの利用例

雨によって建設工事に遅延が発生し、施工業者の費用増加によって利益が減少する場合。下記の計算式で天候デリバティブを利用すれば、この例のような受取金が支払われます。

受取金=単位支払額 ×(計算期間における下記指標 - 免責数値)

計算期間
20X1年7月1日から20X1年7月31日まで(含む両端、計31日間)
指標
観測期間中の日降水量が5mm以上となる日の合計日数
受取条件
上記指標が下記の免責数値を1日上回るごとに下記単位支払額を受け取る
免責数値
16日
単位支払い額
100,000円
最大支払い額
1,500,000円(100,000円×15日)

[メリット]

→実損の有無は関係無いため、保険商品に比べスムーズに支払いが行われる。

(気象庁等の発表するデータ上、条件を満たしているかどうか)

→工期延長により支払いが滞った場合にも、休業手当として補填できる。

[デメリット]

→個人および個人事業主は契約出来ない。

→財物損壊・利益損失があっても、条件を満たさない場合には受取金は支払われない。

上記を踏まえて、こうした商品を取り入れてみるかどうかを判断する必要があります。損害に対する直接の補償が期待できることはもちろんですが、協力業者となる職人や企業にとっては、こうしたものを導入していることで、実際に仕事をした後の対価が支払われるかどうかという不安を取り除くことにも効果的であると考えられます。

SUSTINAで協力業者を募集する際にも、「天候デリバティブ」を導入してリスク対策を行なっていることをアピールをすることで、より多くの協力業者から問合せや応募を集められる可能性もあります。以下は、天候デリバティブを扱っている損害保険会社の商品ページです(天候デリバティブは損害保険ではありません)。詳細は、そちらで確認できます。

三井住友海上

https://www.ms-ins.com/business/solution/derivative/

損害保険ジャパン日本興亜株式会社

https://www.sjnk.co.jp/hinsurance/art/weather_derivative/

東京海上日動

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/risk/weather/shohin.html

建設業の工事で降雨などによる休業手当を支払う必要は?

労働基準法には、「休業の理由が会社・雇用者にある場合は通常の給料に対して最低60%の金額を支払わなければならない」という旨が記されています。また、民法でも基本的には全額を請求する権利はあるとなっています。ただし、民法の場合は労使間で合意があれば、0パーセントとすることができます。そうなっているところが多いのかもしれません。

建設業では、職種によって天候に大きく左右されてしまう仕事もあります。その場合、使用者は労働者に対して休業手当を支払う義務はあるのでしょうか?建設業の場合、降雨や降雪が作業に影響を及ぼすことは間違いないものの、使用者には操作できない部分でもあり「休業の理由が会社・雇用者にある」とまでは言い切れません。従って、基本的には天候不順で休業となってしまった日の給与の支払いは発生しないという判断がなされることが多いようです。

こうした状況にならないことが、協力業者や職人の望みであることは言うまでもありません。その全てを補えるものとはならないまでも、天候デリバティブを取り入れることで何らかの改善につながると、職人としては魅力的に映る可能性は非常に高いものだと言えるでしょう。

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